カップヌードルの滝シリーズのコンセプト
日本を代表する食の発明品カップヌードルは、究極の合理的な食事である。
容器と食物の一体化。お湯を注いでたった3分。誰が作っても同じ味。食べ終わればごみ箱へ。その簡便さとスピード感は、日本人の生活そのものを変えたと言っても過言ではない。たとえば、ひとりでの食事、いわゆる孤食の増加に一役買った。食べるという行為自体を単調で作業的なものにした。あるいは、食物とは何かという概念を拡張・変容させたとさえ言えるのではないだろうか。
なにはともあれ、良くも悪くもカップヌードルは消費され続けている。それは、豊かさと貧しさのどちらを象徴するのだろうか。
あらゆる場面、あらゆる場所で、ずるずるずると、”合理的かつスピーディに”、延々と胃袋へと落ちてゆく。そのようなイメージを、カップヌードルを落下させ”カップヌードルの滝”のような構成にすることで表現している。