Eat Hateシリーズ

Eat Hate(Stop lying Tell the truth/嘘をつくな真実を話せ)2023年 キャンバス、アクリル 30×30cm

Eat Hate(Stop It!/やめろ!)2023年 キャンバス、アクリル 30×30cm

Eat Hate(Go Away This is no good in you/どっか行け!お前には良いとこなんて一切ない)2023年 キャンバス、アクリル 30×30cm

Eat Hate(I hope karma gets you back/あなたに不幸がありますように)2022年 キャンバス、アクリル 30×30cm

Eat Hate(Eres un hijo de puta/くそったれ)2022年 キャンバス、アクリル 30×30cm

Eat Hate(あきた)2022年 キャンバス、アクリル 30×30cm

Eat Hate(Keep Smoking/タバコを吸い続けて死ね)2022年 キャンバス、アクリル 30×30cm

Eat Hateシリーズのコンセプト

2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。21世紀にはもはや侵略戦争など起こり得ないと信じられていた中での事案であり、一斉に世界中がロシアを非難すると同時に、全世界がウクライナの支援に動いた。
しかしそれから数ヶ月経ちいくらか冷静になってみると、この正義か悪かのような二項対立の滑稽さに気がつく。なぜなら世界はそこまで単純ではないからだ。友人や恋人、家族といったミクロの関係性で起こる問題でさえ、そう簡単に白黒はっきりつくものではない。
今は何もわからない。いつも人はずいぶんと後になってから、初めてそれが何でありどんな意味があったのかを知る。それでもひとつ確かなことがある。それが単なるケンカでさえ、世界にある憎悪の総量は必ず増加する。街で見かける小競り合い、兄弟喧嘩や痴話喧嘩、階級闘争にレイシズム、そして戦争。問題の大小に関わらず、そこで生じる人間の憎悪は本質的に同じである。
本シリーズは、この世界にあふれる憎悪を減ずる試みである。一般の人々に、食パンにチョコシロップで憎悪する対象へのメッセージを書き出してもらう。そしてその食パンを作家自身が目の前で食べてみせる。人々が吐き出した憎悪を物理的に消すことによって、心理学的なカタルシスを起こす。多くの科学的研究で明らかになっていることだが、ストレスを紙に書き出し丸めて捨てるだけでも、実際にネガティブな感情が減ずるのである。それは小さな、しかし地道で確実な、抽象的な祈りなんかよりもよほど具体的な平和活動になり得るのではないだろうか。

その他の作品

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