日本人が誤解している東南アジア近現代史 (川島博之/扶桑社)

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ページをめくるごとにうなってしまう。

日本人が心の底ではアジアを見下していることなどを歯に衣着せぬものいいで指摘されると、思わずその通りです申し訳ありませんという気持ちにさせられる。

全日本人が読んでおいて損はない。しかし仮に全員が読んだところで、アジアに対する蔑視がおいそれと消えることはないのだろうが。

 
ある国について知りたい時に、その人口構成を見ることはとても重要な手がかりになる。例えば、若者が多い国は活気に溢れる。しかしその反面、政治は安定しない。反対に老人が多い国は、日本がそうであるように、政治は安定するが活気がなくなる。人口はある国のあり方を考える上で極めて雄弁なデータである。

ベトナムは中国と戦い続けてきた。強大な敵との戦いの連続であり、決して楽な歴史ではなかったが、不屈の闘志で1000年間独立を守ってきた。こんな話を聞いたことがある。ベトナムでは村から兵士が出征する時に兵士を村娘と交わらせた。それは出征する兵士への餞の意味もあろうが、兵士が戦死した場合でも子を残し、その子が再び中国と戦うためであった。父親が戦死した場合には子供は村中で育てるという。まさに抵抗の精神である。その歴史を深く理解しなかったのがアメリカである。ベトナム戦争に深入りして、結局負けた。

1602年にオランダ東インド会社が設立されて本格化したオランダのインドネシア支配は過酷だったようだ。オランダはイギリスやフランスのように多くの植民地を持たなかった。目ぼしい植民地はインドネシアだけである。だから、インドネシアから絞り取れるだけ絞ろうとしたのだろう。独立運動に対しても過酷に取り締まった。そんな経緯があったためか、インドネシア人は今でもオランダを嫌っている。そのために、インドネシアからオランダに留学する人は少ない。それはミャンマーやインドからイギリスに留学する人が多いこととは対照的である。ちなみにミャンマーのアウンサンスーチーもケンブリッジ大学に学んでいる。

     

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