強権と不安の超大国・ロシア 旧ソ連諸国から見た「光と影」 (廣瀬陽子/光文社)

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なんかこの評価、おすすめ3、自己満足2って多い気がする。自分はあんまり満足してないけど、人にはちょっと勧める、みたいな。でも、つまるところ"微妙"という評価である、たぶん。
珍しく2008年出版の新しめの本。ソ連とロシアは一緒だと思われがちだが違う、ということや、ロシアと日本の関係などが、現地で地道に取材を続けた著者の目により丁寧に描かれている。ある種の旅行記のような感もある。
以下、また例によって興味深かった点(このblogを意識して、満員電車でもトイレでもすぐに付箋を貼るようにしたのだが、読後にどんな本だったかを振り返ることにより知識の定着が図れているように思うので一石二鳥である)をご紹介。
・公務員でも給料が非常に安いため、賄賂が横行している。警察は適当にほとんど言いがかりのように違反を取り締まって金をせびり、図書館では賄賂を払わないと、いつまでたっても希望の本は出てこない。
そんな現実を皮肉る小咄がある。
ある交通警察が、無実の車を止め「逮捕されたくなければ賄賂を出せ」と、いった。これに対して運転手は「いま持っているお金を渡してしまったら、今日、私たちの家族はなにも食べられません」と懇願した。すると交通警察は、「いや私も君からお金を取らないと、私の家族は今日、なにも食べられないのだよ」と言いながら、ニコニコして運転手が持っていたお金を全額分捕った。
・著者が旧ソ連、東欧諸国に行くと、「日本の戦後の経済復興の手腕を教示してほしい」としばしばいわれる。そして、とくに旧ソ連では、まだ無法国家的な地域が多いため、著者が日本人だというと、羨ましがる人がたくさんいた。「パスポートを見せてくれ」といわれ、みな私のパスポートを抱き締めたり、頬ずりしたりして、「このパスポートがうらやましい。これを持っていれば、世界のどこにいてもあなたは守ってもらえる。でも私たちは国内でも守られない」といい、法治国家日本への憧れをとうとうと語る。
・プーチンが熱心に2014年のソチ五輪を誘致した意図のひとつとして、ソチはコーカサスに位置し、チェチェンからも遠くない。チェチェン紛争のイメージは国際的に非常に悪いため、その近くのソチで国際的なイベントをおこなうことによって、暗いイメージを払拭したいという希望がある。
特にソチ五輪の誘致の理由に、政治のなんたるかを思った。政治に無関心なぼくからすると、なんじゃそりゃという理由なのだが、政治というのはそういうものなのかもしれない。
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