「悟り体験」を読む―大乗仏教で覚醒した人々 (大竹晋/新潮社)

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正直、本書はよみにくい。古語と現代語が入り乱れているせいだろうが、とにかく読むのに疲れる。

しかし、我々が日常的に使う実体の曖昧な「悟り」にかなりはっきりとした輪郭を与えてくれる本ではある。

今後、もし何か間違って自分が悟ったと思った時には、あ、これは悟りじゃないなとか、これは悟りの過程でしかないな、くらいは検討がつくようになるのではなかろうか。

坐禅の時、雑念の起るのを強いて厭ってはならぬし、また、好いてはならぬ。ただただ、その雑念をもとに戻して、〔雑念の〕起こるみなもとを見すえて動じずにいるうちに、あらゆる雑念のおおもとである情識が滅してゆくことは、あたかも火中にある炭を燃やし尽くすには火を煽ぐよりほかに手だてがないことに似ている。

泥棒でも一寸でも人のものを盗めば泥棒になる。又これと同様に、ちよつとでも仏さんのことをすればそれで仏さんと一所になるのである。こゝに我が宗の特色があり秘伝があるのである。

悟らないでいる時は人のほうが真理に迫っていこうとするが、悟る時は真理のほうが人に迫ってくる。悟ってからは心が景色を包んでいるが、迷っているうちは心が景色に包まれている。

     

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