私の財産告白 (本多 静六/実業之日本社)

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久しぶりに心から尊敬できる人物に邂逅したという気持ち。

すべてその通りとしか言いようにないことばかりで、心の底から納得できる。しかしその「当たり前」をどれだけの人ができるものかとも思う。

決して華のある人物ではないが、己が思い、考え、決めたことを、1年や2年ではなく、人生すべてのスケールで淡々と実行し続ける。偉人とはこういう人のことを言うのであろう。

貯金の問題は、要するに、方法の如何ではなく、実行の如何である。

世の中には誰もが勝てる勝負がある。しかし、ほとんどの人はそういう勝負には参加をしない。本多静六という人が人生で行った勝負は、その「誰もが勝てるが、ほとんどの人がしない勝負」だった。

ゼイタク生活の欲望や財産蓄積の希望についてもそうであって、月一万円の生活をする人が二万円の生活にこぎつけても幸福は二倍にならぬし、十万円の財産に達しても、ただそれだけではなんらの幸福倍化にはならない。いったい、人生の幸福というものは、現在の生活自体より、むしろ、その生活の動きの方向が、上り坂か、下り坂か、上向きつつあるか、下向きつつあるかによって決定せられるものである。

     

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