奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (ジル・ボルト テイラー (著), Jill Bolte Taylor (原著), 竹内 薫 (翻訳)/新潮社)

書籍奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき(ジル・ボルト テイラー  (著), Jill Bolte Taylor (原著), 竹内 薫  (翻訳)/新潮社)」の表紙画像

購入価格: 人にもらった(0円)

評価:

この記事は約1分7秒で読めます

ある日、ひとりの脳科学者の左脳が壊れて右脳だけが機能する状態になったという、極めて特殊な状況が克明に記録されている。

著者は脳に関するプロフェッショナルであるだけに、自己を内側から解体・解剖していくような描写が興味深い。

感覚的な右脳だけの状態は、日夜左脳ばかりを酷使して生きている一般人からすると、常に恍惚としてトリップしているようにも思われて、一種の羨望を感じなくもない。

脳の主な機能が右側へシフトしたことによって、わたしは、他人が感じることに感情移入するようになっていました。話す言葉は理解できませんが、話す人の顔の表情や身振りから多くのことを読み取ることができたのです。エネルギーの動きがわたしに与える影響については、特に注意を払いました。エネルギーを与えてくれ人がいるかと思えば、エネルギーを吸い取る人もいることに気づいたのです。

このごろわたしは多くの時間を使って、「考えること」について考えています。その理由は、脳の素晴らしさがわかってきたから。ソクラテスが述べているように「考察のない人生は、生きる価値がありません」。

結局のところ、わたしたちが体験するものはすべて、わたしたちの細胞とそれらがつくる回路の産物です。ひとたび、いろんな回路が、からだの内側でどんなふうに感じられるかに耳を澄ませば、あなたは世界の中でどうありたいかを選ぶことができます。

     

ブログ一覧

  関連記事

シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント

これほど人に感銘を与える本もない。現時点で、間違いなく今年読んで一番よかった一冊 ...

投資で利益を出している人たちが大事にしている45の教え

本書を読んでおけば、投資をしていれば必ず出会うであろう困難な時期でも冷静に対処で ...

「カルト」はすぐ隣に  オウムに引き寄せられた若者たち

2022/09/11   政治・社会, 読書記録

本書を読んで、そしてオウム真理教のドキュメンタリー「A」も見てみると、自然、信者 ...

リーダーのための経営心理学 ―人を動かし導く50の心の性質

給与水準を上げる前に、ちゃんとスタッフのモチベーションを気にかけてケアしているか ...

リスク〈上・下〉―神々への反逆

2022/06/25   歴史・地理, 読書記録

投資信託を始めて以来、投資関係の本を読み漁っていて出会った本。 株の値動きに限ら ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2025 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.