小商いのはじめかた 身の丈にあった小さな商いを自分ではじめるための本 (伊藤洋志/東京書籍)

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移動式本屋、パン屋、染め物屋に山菜採り――幅広いスモールビジネスの成り立ちから発展まで、当事者への直接のインタビューをもとにまとめられている。

共通するのは、どの人も欲の皮が突っ張っていないこと。そのあたりが、読んでいて素直に好感が持てる所以かもしれない。

小さなお金を色々な所から得られるようにすることで、何かあった時でも転ばず生きていける。そんなリスク分散を地で行く生き方が、彼らに余裕を与えているようにも見える。

現代、ネット販売はいわずもがら、投資ゼロのビジネスの方法はアイデア次第で無限の可能性がある。そこで重要なのは「いかに儲けるか」よりも、「いかに楽しむか」なのではないかという気がする。

べつに、きれいごとを言うのではない。そうであればこそ、細く長く続けられ、お客の方もその気安い空気を嗅ぎ取って集まり、ゆるく途切れずビジネスが続くのだと思う。

100円安く買うために、ネットで探して30分使うとか、そういう本末転倒な事態が多い現代社会ですから、価格とは違う軸があったほうが、買い物が楽しくなるのではないでしょうか。

お金"だけ"ではない価値基準を作れば、自ずと人生は変わるはず。それもけっこう劇的に。

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軽い読み物としては悪くない。中学生くらいの時に読みたかったなと思う。

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