ソロエコノミーの襲来 (荒川 和久/ワニブックスPLUS新書)

書籍ソロエコノミーの襲来(荒川 和久/ワニブックスPLUS新書)」の表紙画像

購入価格:967

評価:

この記事は約1分9秒で読めます

雑に言えば、いわゆる「おひりとりさま」を「ソロ」に言い換えて、いろいろ論理的に展開してみましたという本。

ソロの消費行動は家族持ちの人とは違うということが話の中心。江戸時代の生活事情にまでさかのぼり(そのあたりが一番興味深かかった)、昔から独り身という人々はたくさんいて、みんなけっこう楽しくやっていたということがわかる。

しかし、やたらと独身男性がアイドルに情熱を傾けるとは云々というロジックが出てくるので、それはごく一部だろうと違和感を覚えた。

本題とはあまり関係ないところだが、以下の記述にはハッとさせられた。

北欧の高齢者たちは、子どもに金銭的にも肉体的にも介護を要求しない。要介護の状態でも赤の他人のヘルパーのサポートを受け、同居しない子が介護をすることはない。それは決して親子の情がないのではなく、北欧の彼らにとって「助けてくれる家族」とは「国家」であるからだ。 日本がそれに倣う必要も意味もないが、だからといって、「家族なんだから、自分たちでなんとかしろ」「無償で助け合うのが当然」と、すべてを小さな家族コミュニティに自己責任として押し付けるのは決していいことだとは思わない。

なぜなら、私は常々、ロサンゼルスのホームレスたちは家族がいる人も少なくないのに、なんの援助も受けられないことに単純に「なぜ?」と思っていたからだ。彼らの家族は別にホームレスでもなく、普通に暮らしているにも関わらず、である。私は多分に典型的な日本人で、家族に過度な期待をかけているのかもしれない。

ご支援のお願い

もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。

Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com

Amazonほしい物リストで支援する

PayPalで支援する(手数料の関係で300円~)

     

ブログ一覧

  • ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」

    2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。

  • 英語日記ブログ「Really Diary」

    2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。

  • 音声ブログ「まだ、死んでない。」

    2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。

  • 読書記録

    2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。

  関連記事

旺文社ハイトップ英和辞典

「旺文社ハイトップ英和辞典」を読んだ。辞書のコスパは最高。カタカナでの発音表記が ...

ぼくたちは水爆実験に使われた

実に興味深い内容だった。アメリカも、日本の隠蔽体質の事を非難できねーなと思う。し ...

プチ哲学

昨日、なんとなく古本屋で200円で購入。狙いはわかるけど、軽すぎるなー、という感 ...

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

雑、と感じる向きもあろうが、私にはとてもよかった。科学的であるとは反証可能性があ ...

人はなぜ平和を祈りながら戦うのか?

人類史において宗教と戦争は密接に連関している。また、平和は抽象的で戦争は具体的だ ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2024 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.