ソロエコノミーの襲来 (荒川 和久/ワニブックスPLUS新書)

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雑に言えば、いわゆる「おひりとりさま」を「ソロ」に言い換えて、いろいろ論理的に展開してみましたという本。

ソロの消費行動は家族持ちの人とは違うということが話の中心。江戸時代の生活事情にまでさかのぼり(そのあたりが一番興味深かかった)、昔から独り身という人々はたくさんいて、みんなけっこう楽しくやっていたということがわかる。

しかし、やたらと独身男性がアイドルに情熱を傾けるとは云々というロジックが出てくるので、それはごく一部だろうと違和感を覚えた。

本題とはあまり関係ないところだが、以下の記述にはハッとさせられた。

北欧の高齢者たちは、子どもに金銭的にも肉体的にも介護を要求しない。要介護の状態でも赤の他人のヘルパーのサポートを受け、同居しない子が介護をすることはない。それは決して親子の情がないのではなく、北欧の彼らにとって「助けてくれる家族」とは「国家」であるからだ。 日本がそれに倣う必要も意味もないが、だからといって、「家族なんだから、自分たちでなんとかしろ」「無償で助け合うのが当然」と、すべてを小さな家族コミュニティに自己責任として押し付けるのは決していいことだとは思わない。

なぜなら、私は常々、ロサンゼルスのホームレスたちは家族がいる人も少なくないのに、なんの援助も受けられないことに単純に「なぜ?」と思っていたからだ。彼らの家族は別にホームレスでもなく、普通に暮らしているにも関わらず、である。私は多分に典型的な日本人で、家族に過度な期待をかけているのかもしれない。

     

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