死は終わりではない (エリック・メドフス (著), エリーサ・メドフス (著), 峰岸計羽 (翻訳)/きこ書房)

書籍死は終わりではない(エリック・メドフス (著), エリーサ・メドフス (著), 峰岸計羽 (翻訳)/きこ書房)」の表紙画像

購入価格: Kindle Unlimited(0円)

評価:

この記事は約2分8秒で読めます

ひとことで言えば、20歳で自殺した青年の霊をイタコが呼び出して語らせた本。

ああ、そういう系ねと切り捨てるのはたやすい。しかし、私はそれ以上のものを感じた。

それは私がある程度の歳を重ねて、刻々と死が近づいているために、死に何かしらの希望を見出したいという願望が、この本に真実味を帯びさせたのかもしれない。

理由はなんだっていいが、私はこの本の内容を信じられる。いや、たぶん信じる信じないとかいう命題の立て方自体がどうでもいい話で、まあ、そういうもんだろうねと、漠然と感じるのである。

どうやらそれは私だけではないらしい。というのも、amazonでの評価コメントなんかには、もっとあからさまな批判があってもよさそうなものなのに、案外に見当たらない。

かつて死後の世界を全否定する人がいて、あの世があったとして、今まで生きて死んだ人々、何百億もの人間が収まる、そんなスペースがいったいどこにあるものかと嗤っていた。

典型的な、この世の「カタチ」がすべてで、この世の「ルール」でしかモノゴトを考えられない人の意見である。

かつて海の果てには怪物が住んでおり、野心的に過ぎる航海者を呑み込んでしまうのだと、本気で信じられていた。

現代を生きる我々は、それを笑うことができる。同じように、そう遠くない未来、かつて人類は死とはチリになり無になることだと信じて恐れていたと、笑われる日がくるのではないか。

ばかばかしい戯言に聞こえるかもしれないが、私はかなり本気でそう思っている。

呼吸や貧乏ゆすりやまばたきのような、人間が無意識にやっている細かい動き――ぼくも人間だったときはやっていた――も、もう必要ないようだった。欲求も欲望もない。ぼくは、ただ存在していた。ひたすら純粋にシンプルに。

アホみたいに時間がかかる難しいことだろうと、好きで好きでしょうがないというものを見つけよう。たとえば郵便局員としての仕事が終わったら、かたわらにいる毛のない猫にセーターを編んでやるとか。そんなひとときこそがきみの魂に最高の栄養を与えてくれるんだよ。これがぼくの言いたいこと。

ぼくがあの両親のもとに生まれたのは、学びを深められるように手助けをしてもらうためだった。つまり、学びに必要な、安全で愛情にあふれた環境を提供してくれる親かどうかってこと。ぼくの魂は、もっとダメな親を選ぶこともできただろう。でも、そうしていたら、ぼくは人間関係をいまほど理解できるような人生は送れなかっただろう。ぼくは、他人とも自分自身ともつながろうという気になれなかっただろうし、愛とは何かも理解できなかっただろう。それに、ぼくが大家族に生まれたのは、そうすることでもっと多彩な人間関係を学べると、魂が考えたからだ。

ご支援のお願い

もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。

Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com

Amazonほしい物リストで支援する

PayPalで支援する(手数料の関係で300円~)

     

ブログ一覧

  • ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」

    2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。

  • 英語日記ブログ「Really Diary」

    2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。

  • 音声ブログ「まだ、死んでない。」

    2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。

  • 読書記録

    2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。

  関連記事

超訳 イエスの言葉

聖書を読むよりもわかりやすいことは確かである。しかし、そのわかりやすさによって、 ...

子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

一般的に日本人がイギリスと聞いて思い浮かべるイメージは決して悪くない。貧しくもな ...

ビットコイン、強気にならずにはいられない理由

本書を読めば、ビットコインが貨幣の再発明ともなり得ることが実感を持って理解される ...

普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門

今年の2月ごろに「FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極 ...

ビジネスエリートになるための 教養としての投資

株で億り人、すぐ儲かる、その手の本を読み漁る前に、この本を読めば投資というものの ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2024 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.