孤独を生きぬく キリスト教のメッセージ (イシドロリバス/講談社)

書籍孤独を生きぬく キリスト教のメッセージ(イシドロリバス/講談社)」の表紙画像

購入価格:660

評価:

この記事は約2分30秒で読めます

2017年にカトリックの洗礼を受けた身としては、キリスト教に関することをもっと深く理解したいと常々思っている。

毎朝聖書を読むのと同様に、本書も毎日数ページずつ読み続けてきた。どのくだりも、わかると言えばわかるが、わからないと言えばわからない。

そもそも宗教というものは、非現実的なのものなのだと思う。非俗世的と言い換えてもいいかもしれない。

日々はあまりにも現実的で、実利的だ。だからこそ疲れもすれば辟易ともする。そこで神、キリストとの対話は、現実を超克するツールとして有用なのではないか。

とはいえ、万人に受け入れられるものではないだろうとも思う。なぜなら、ほとんどすべての人は、わからないもの(謎、神秘)をわからないままに受け入れるということができないからだ。

神が他のものをつくった時と違って、人間をつくったという時には、〝バラー〟という特別な動詞を使っていますが、これは一つひとつが手作りで、心をこめて、細かく芸術作品をつくる時の言葉です。

人間は、一人ではけっして幸せになれないだけでなく、一人では本当の自分にもなれません。一人では、なりたい自分にもなれないということは、人間が人と交わるためにつくられたものであることを示してくれています。逆説的に聞こえるかもしれませんが、次の言葉は非常に深い言葉だと思います。〝幸いなるかな孤独に悩むもの、彼らはもっと深い交わりに召されているからです〟

人はだれでも人生の前半は他人から与えられ、他人から決められた自分にすぎないかも知れませんが、彼のように、ある日、自分の運命を自分の手に取って、人生の後半においては、自分が何者であるかを自分で決めるのです。キリスト教では、その重大な決断を回心と呼んで、これから新しく生きる自分のシンボルとして聖人の名前、いわゆる洗礼名をいただきます。自分も聖人になれるくらい価値のある人間だということです。

     

ブログ一覧

  関連記事

今ここを生きる勇気 老・病・死と向き合うための哲学講義

悪くないとは思うのだが、どうも全体的に嘘くさい。 端々に、確かにその通りだなあと ...

毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資

投資の初心者も初心者なので、へーと思う部分がいくつかあった。 人生一発逆転的な投 ...

オランダを知るための60章 エリア・スタディーズ

2022/04/15   歴史・地理, 読書記録

オランダと日本の関係は400年以上で、たとえば長崎の出島のことを知らない人はいな ...

喧嘩両成敗の誕生

2023/06/17   歴史・地理, 読書記録

ふつうに考えれば、喧嘩両成敗などというのは判断することを放棄した、コインの裏表で ...

55歳からでも失敗しない投資のルール

投資関連の本も十冊くらいは読んだと思うが、どれも内容は似たりよったりと言えばその ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2025 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.