家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像 (インベ カヲリ★/KADOKAWA)

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語弊を恐れずに言えば、犯人の小島の動機(らしきもの)の理屈は奇妙なほどに完成されている。

彼には一般に罪を犯した人に対して用いられるだろう、倫理を問うたり良心に訴えたりといったことがまるで意味をなさない。

こういった「異次元の価値観」の人間に対して我々に何ができるのか。彼のようなタイプの人間に、死刑という処理はあまりにも無意味で虚しい。

現代を生きる人間が一丸となってこの種の犯罪をどう防ぐかを考えていくべきではあるが、いくら考えようが議論しようが、それらしい答えが出てくる気がしない。

「社会復帰したくなかったんですよ」──居場所がなくてホームレスになったわけではなく、社会復帰をしたくないから自らホームレスの道を選んだということ?「自分から好きで、あんな生活をしていました。私の場合、都市型のホームレスではなく、山奥のホームレスですから。世捨て人になろうとしたんです」──普通に仕事をすることはできなかったんですか?「能力的には普通ですよ。IQ的には。性格的な問題ですね」嚙み合わないところもあるが、小島は、どこか頭の良さを感じさせる。性格的な問題というのは、発達障害のことだろう。それにしても、〝山奥で生活する世捨て人〟を、ホームレスと呼ぶだろうか?山ごもり、自由人、旅人、そういうイメージのほうが強い気がする。

母親は周囲からマザーテレサと呼ばれ、長年にわたり相談所でホームレス支援のボランティアをしている。その息子が殺人犯であることには、落差がありすぎる。

「本当は正義感がめちゃくちゃ強いんですよ。正義感が強いから、ああなっちゃうんです。間違ったことが大嫌い。ごまかしが嫌い。白か黒しかないんです。白じゃなければ黒。黒じゃなければ白。だから黒も正義になっちゃうんですよね。黒が正義になっちゃうというよりも、白が白すぎちゃって、黒になっちゃうというか」

施設で育った子どもは、グレることがないと聞いた。その理由は、グレたところで、心配してくれる人がいないからだという。

     

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