FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (ジョー ナヴァロ (著), マーヴィン カーリンズ (著), 西田 美緒子 (翻訳)/河出書房新社)

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私はかなり鈍い方なので、人の行動で何かを察することはあまりない。しかしこれを読むと、少なくとも自分自身のさまざまな動作の理由がわかったような気がする(自分もまた他人である)。

この本は一度読んで終わりではなく、何度も繰り返しひもといて、あの時のあの人の動作はこうだったのかもしれないなと、辞書のように用いるのがよいと思う。

人の感情や気分がもっともはっきり現れるのは「脚・足」だという。原始の時代から、人間は「逃走するか・闘争するか」の判断を繰り返し迫られてきた。次のアクションを起こして生き延びれるか否かは「脚・足」にかかっていたのである。言われてみれば当たり前ではあるが、それでも興味深いことこの上ない。

夕食のとき口論すると胃がむかつくのはなぜか、不思議に思ったことはないだろうか。人がイライラしてくると、きちんと消化するために必要なだけの血液が消化器官に流れなくなる。辺縁系の固まる/逃げる/戦うの反応は、肌から血の気を奪うだけでなく、消化器官で使うはずの血液も、逃走に備えて心臓と手足の筋肉(特に脚)にまわしてしまうからだ。胃がむかつくのは、辺縁系が興奮した症状にほかならない。

ストレスを受けると、あくびが止まらなくなる人を見かけることがある。あくびは「深呼吸」になるだけでなく、緊張すると口が渇くので、あくびによって唾液腺に圧力をかけることができる。口の中や周囲のいろいろな組織を伸ばせば、唾が出て、不安を感じているときに口の渇きを癒してくれる。そんな場合のあくびの原因は、寝不足ではなく、ストレスだ。

研究されてきたすべての文化で、支配力のある人物ほど、じっと見つめる行動の自由が許されていることが確認されている。要するに、力があればどこでも好きなところを見る資格がある。その逆に従属する者は、いつ、どこを見るかに、制限が多くなる。

     

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