サーキュラーエコノミー実践 オランダに探るビジネスモデル (安居昭博/学芸出版社)
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現在の地球環境はすでにマイナスの状態であるので、サステナブル(sustainable:持続可能な)などと言っている場合ではなく、むしろ積極的に回復していくジェネラティブ(generative:生成する)でなければならないという考えの重要性は、強調しすぎても足りないくらいだ。
2020年10月時点でのトニーズ・チョコロンリーの報告によると、コートジボワールとガーナ等西アフリカの国々で、150万人以上の子ども達が児童労働に従事させられているとされ、私たちが普段見かけるチョコレートの多くがこうした児童労働が関わって生産されたものだそうだ。世界各国の政府や企業も認識しながら看過しているとされ、カカオだけでなくコーヒー豆の栽培や、レアメタルやダイヤモンドの鉱物採掘にも広く該当するとされている。
サービスとしての製品(顧客は所有せずに、利用に応じて支払う)「Product as a Service (PaaS)」(中略)照明器具をはじめとした従来の電化製品の多くは、技術的には半永久的に使用できる設計が可能でも、売り上げを継続させるために比較的短期間で故障し消費者自身が修理しにくい構造になっていた。(中略)この状況に画期的な形でメスを入れたのが、販売からリースへの移行、いわゆる「PaaS」である。リースモデルの採用により、製品の所有権と廃棄物処理責任はフィリップスが持ち続ける。また、利用者に使用されている間は収益が得られるため、計画的陳腐化を組み込まずともむしろ半永久的に使用できる照明器具の設計に利点を見出すことができる。
日本では明治初期から戦後までの約80年間、農地面積・農業従事者数ともに大きな変動はなかったが、戦前に1000万人以上いた農業従事者は戦後からわずか50年で1/9ほどに減少し、2020年時点の農家人口はわずか136万人ほどになった。今後国際市場で日本の購買力が低下し国産物で国民を養う必要が生じた場合、一人の農家が毎日90人分の食事を支えなくてはならず、うち7割が65歳以上の農家になる。農業の高度な知識と技術の継承には10年かかると言われるが、今から10年後にどれほどの農家が残っているかもわからない。
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