色弱が世界を変える カラーユニバーサルデザイン最前線 (伊賀公一/太田出版)

書籍色弱が世界を変える カラーユニバーサルデザイン最前線(伊賀公一/太田出版)」の表紙画像

購入価格: 不明

評価:

この記事は約1分17秒で読めます

個人的な運動「本代を惜しまない2012」の一環として買った本。新宿のブックファーストにて新品にて購入。

色弱のことを考慮すること、考慮できることはきっと強みになるだろうなと実務的なことを思って手に取ったのだが、9割方は色弱である著者の自伝である。

amazonでの評価も大きく分かれていた。確かに理論を求めて手に取った人はがっかりだろうし、色弱の人がどう思って生きているかという実感を知りたかったのであれば満点であるだろうとは思う。

ぼくとしては、まあ、まあ、といったところ。しかしまあ、色弱というのが一体どういうことなのか、ぼくはまったく知らな過ぎたということだけはよくわかった。この世の中には見え方が違っている人がいる。それも男性に限って言えば20人に一人の割合で、ぼくとはまったく違う見え方をしている人がいる。これは確かに、考慮してしかるべきことだろう。感覚ではなく、理論的な勉強もしてみたいと思う。

それよりもぼくにとって一番興味深かったのは、著者がその人生において徳島と東京間を"Zターン"しているところである。一度目は進学での上京で7年の東京生活(その間に結婚し子どもも居る)。その後、土木作業中に事故を目撃したことをきっかけに地元である徳島に戻る。そこで13年ほど暮らしたころ、知り合いにベンチャー企業を立ち上げるから来ないかと誘われ、再び上京して現在に至る。

まさに広島に帰ろうとしている今、このタイミングでこういうストーリーに触れることは、何か感慨深いものがる。未来はわからない。もしかすると、ぼくもまたいつかこの著者のように何ものかに呼ばれて、Zターンする日が来るのだろうか、なんて。ぼくの人生の次の十年を思う。

記事カテゴリー: art

ご支援のお願い

もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。

Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com

Amazonほしい物リストで支援する

PayPalで支援する(手数料の関係で300円~)

     

ブログ一覧

  • ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」

    2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。

  • 英語日記ブログ「Really Diary」

    2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。

  • 音声ブログ「まだ、死んでない。」

    2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。

  • 読書記録

    2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。

  関連記事

アートは資本主義の行方を予言する

アーティスト必読の書。これまで相当にアート関連の書籍を読み漁ってきた自負があるが ...

ラッセンとは何だったのか? ─消費とアートを越えた「先」

Amazonの配送事故で、止むを得ず書店にて新品で購入。読む時間が三日しかなかっ ...

アート・検閲、そして天皇―「アトミックサンシャイン」in沖縄展が隠蔽したもの

新品で買って高かったが、よい本であった。ラッセン本の問題意識と双璧をなす問題のよ ...

コレクションと資本主義 「美術と蒐集」を知れば経済の核心がわかる

全てのアーティスト必読の書と思う。村上隆ではないが、アーティストはもっとお金と真 ...

ユダヤ人と近代美術

長く読みかけで放置していたが、ふと開くと一気に読んでしまった。放置していた間にぐ ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2024 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.