旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (近藤 雄生/岩波書店)

書籍旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる(近藤 雄生/岩波書店)」の表紙画像

購入価格:399

評価:

この記事は約2分39秒で読めます

たまに「日本で絶望して自殺するくらいならインドでも行ったほうがいい」なんて乱暴な話を聞くが、本書を読むと、それは確かにその通りかもしれないと思う。

絶望するというのは、つまるところ究極的に視野を狭くして、針の先のような一点を世界のすべてだと思いこむことなのだ。

そうであればこそ、いっそ死んでもいいやというヤケクソでもなんでも外に出てみれば、是が非でも世界観が変わり人生が変わる。そしてもう二度と、その針先の矮小な一点を世界のすべてなどとは間違っても思えなくなる。

そして、そのように自己の世界観が変容した時、絶望が、自殺という行為がいかに難しいことであるかを痛感するのである。

「最近はあまり獲物が捕れなくなってしまったんです。ここ3年ほど、クジラの捕獲量も減っています」 5年前は1年間で49頭のマッコウクジラが捕れたけれど、昨年は23頭だったといいます。 (中略) 「しかし、その理由は私たちには分かりません」 (中略) ラマレラの村人たちがその状況に対して取れる術はほとんど何もありません。あるとすれば、この島に根付くキリストへ、日々、祈りを捧げることぐらいです。

エマーム・レザー廟の中では、女性は必ずチャドルを着なければなりません。そのためにぼくらも、事前に町の布屋さんにモトコのチャドルを買いにいきました。すると店の中にいた数人のチャドル姿の女性たちが、ぼくらを興味深そうに眺め、モトコがチャドルを選んでいると、その着方を親切に手ほどきしてくれます。そしてこのとき、そのうちのひとりがとったちょっとした行動がぼくの心にいつまでも残ることになりました。彼女は、「ほら、こうやって着るのよ」と、笑顔で自分のチャドルを開いて見せてくれたのです。厳しく身体を隠すイランの女性のチャドルの内部を見ることなど、考えてもいなかったため、ぼくは、はっとしてしまいました。そしてその中に彼女が着ていたのが、シーンズとセーターといった全く普通"の洋服だったことにもまた驚かされました。

最近の日本は、「人を見たら泥棒と思え」的な、互いに警戒し合う社会になっている気がするけれど、こうしてお互いに扉を開き合ってみると、世の中圧倒的にいい人が多いことを実感 できます。

ご支援のお願い

もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。

Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com

Amazonほしい物リストで支援する

PayPalで支援する(手数料の関係で300円~)

     

ブログ一覧

  • ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」

    2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。

  • 英語日記ブログ「Really Diary」

    2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んでも一切おもしろくない。

  • 音声ブログ「まだ、死んでない。」

    2020年より開始。日々の出来事や、思ったこと感じたことをとりとめもなく吐露。死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。

  関連記事

ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論

全体的にわからなくはないが、どうも奥歯に物が挟まったような物言いが多くすっきりし ...

死に至る病 (まんがで読破)

サエキ先生すみません、適当な漫画でお茶を濁してしまいました。いつか文庫も読みます ...

英語の発想―翻訳の現場から

英語の勉強はつづく、どこまでも。

エリック・ホッファー自伝―構想された真

本書は新聞紙上でよくある読者相談の形式をとっているが、並の回答ではない。ひとつひ ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2025 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.