石油がわかれば世界が読める (瀬川 幸一編/朝日新聞出版)
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何かの本で、何十ヶ国語を操る方が「すべての言語は擬態語である」と言っていたのを思い出す。
確かに、その言葉の意味はわからなくとも、すべての言語はそのものにふさわしい字面や音を持っているものだ。
たとえば日本語の「殺す」も英語の「kill」も、そしてドイツ語の「toeten(テーテン/殺す)」も、そこはかとないおだやかならぬ印象がある。
それはともかく本書は昭和39年発行と、あまりにも古い。それで以下のようなくだりが出てきてハテナとなる(下線は筆者)。
『一つてまえの駅で降りてNHKの「私と語学講座」に出た山崎ミドリさんは、一時オランダ系の会社に勤めていたBGです。』
調べてみれば「ビジネスガール」の略らしいが、売春婦の意味にもとられることから放送禁止用語となったらしい。
参照: https://ja.wikipedia.org/wiki/OL
母音のあとの子音が一つだけなら、その母音を長くしなさい。
母音のあとの子音が二つ以上なら、その母音を短くしなさい。
山へ行くと、ヒュッテというのがよくあるでしょう。あれは、Hütte というつづりのドイツ語なんです。「ヒューッテ」とならない点に注意してください。u のつぎに二つ子音があるからです。英語ならば hut にあたります。ところが英語と同じつづりで Hut となると、「フート」と発音して、「帽子」のことです。英語の hat ですね。小屋ではなくて帽子なんですから、思わずハッとします。「フット」でなくて「フート」と伸びるわけはもうおわかりでしょう。u のつぎに、子音が一つしかないからです。
ギリシア語のような古いことばには、単数と複数のほかに、双数というものがありました。たとえば目や耳や、手足などは二つずつそろっているので、特別扱いにしたのです。ドイツ語には単数と複数しかありません。
ドイツでトイレにでかけますと、ドアに DAMEN (ダーメン)とか、HERREN (ヘレン) (中略) die Herren (ディー ヘレン)は der Herr (ディー ヘア)(紳士)の複数です。なかには、ER(かれ)、Sie (彼女)、などと気どって書いているものもあります。イタリアのカプリ島では、アダムとイヴという、ひどく文学的なのも見ました。ドイツにはまた、ゼロ号室 Nummer Null (ヌンマー ヌル)というのもあります。ゼロ = ゼロ (00)のように、重ねて書いてあることもあります。
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