人にはどれだけの物が必要か—ミニマム生活のすすめ (鈴木 孝夫/中央公論新社)

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実家に転がっていたので読んでみた。おもしろくなくはないが、全編を通して当たり前のことを言っているようにしか感じられない。

この本をタイトル通りの50も過ぎた人が読んで、「なるほど!」と感激するとしたら、今まで何やってたんだという感じである。

個人的には、もっともムダな生き方とは、周囲の評価や将来の心配ばかりをして、いま現在の己の欲望に素直に従わないことだろうと思う。

時と共に世の中は変化する。良い方に変化するのか、悪い方に変化するのか一概には言えない。おそらく、そのどちらでもあるのだろう。しかし、老人には悪い方に変化しているように思えてしまうのだ。その理由は二つあって、一つは、新しいことが頭に入らない、身につかない、つまりついていけないのであり、だんだん生きにくくなるからだ。 (中略) もう一つの理由は、昔は自分が若かったからだ。がんばりもきき、社会の中心にいてバリバリ世の中を動かしている充実感が味わえ、疲れなかった。今はもうそういうことができなくなったのでおもしろくなくてたまらないのである。

死んだ人がものをたくさん残すのは、普通には、ムナしいだけなのである。普通でないケースとはどういう時かというと、なんらかの方法で残ったものを千年保存できたら、その時はかなり価値のあることになる。千年前のものがそっくり残っているのなら、集めたエロ本でさえ宝物であろう。

人間も五十歳にもなったら、自分が何をしたいのか知っていなければ愚かすぎるというものなのだ。それでもまだ、私は仕事が生きがいだ、なんて言ってますか。仕事はあなたが選んでしていることではなく、与えられてしていることなのだ。そして、やがて与えられなくなるのだ。

     

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