容疑者Xの献身 (東野 圭吾/文藝春秋)

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最近やたらとよく聞くようになったNFTだが、まったく理解していなかったので、素直にいちから勉強することにした。

本書はそんな初心者にも優し過ぎるくらいに優しい。NFTの仕組みを知らなければNFT作品もクソもないので、これで遠くない将来、NFTを絡めて云々というアイデアが思いつけそうな気がする。

NFTは、何を可能にしたのでしょうか?いろいろな見方があるのですが、さまざまな権利を移動できるようにしたのではないでしょうか。絵画のオリジナルを所有する権利、コンサートで前から3列目の右から3番目に座る権利、アイドルと握手する権利……。これらの権利を、所有者から譲り受ける、つまり、権利が移動していく仕組みが出来上がったのです。

『実際に取引されるのはデジタル署名を意味する「非代替性トークン」(NFT)で、暗号資産(仮想通貨)を支える基盤技術のブロックチェーンでオンラインデータの所有者を証明する。』 (中略) NFTはコピーさせない技術ではありません。コピーがあっても、オリジナルがどれなのかを証明できるという技術です。リアルのアート作品でも、コピーは大量にされていて、美術の本に印刷されていたり、Tシャツや絵葉書になっていたりするでしょう。リアルは、明らかに品質(素材)が異なるのですが、デジタルの場合は、全く劣化しないので、オリジナルであることの証明が難しかったのです。それが、NFTを使うことで可能になったのですね。

アート作品などが、2次売買で売れた時もロイヤリティがアーティストに支払われるのを、追求権といいます。EU加盟国などでは、この追求権が定められていて、オークションなどで2次売買されても、アーティストに収益が発生します。残念ながら、日本では、追求権は採用されていないので、そのような仕組みがありません。

     

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