容疑者Xの献身 (東野 圭吾/文藝春秋)

購入価格: 不明
評価:
この記事は約1分27秒で読めます
最近やたらとよく聞くようになったNFTだが、まったく理解していなかったので、素直にいちから勉強することにした。
本書はそんな初心者にも優し過ぎるくらいに優しい。NFTの仕組みを知らなければNFT作品もクソもないので、これで遠くない将来、NFTを絡めて云々というアイデアが思いつけそうな気がする。
NFTは、何を可能にしたのでしょうか?いろいろな見方があるのですが、さまざまな権利を移動できるようにしたのではないでしょうか。絵画のオリジナルを所有する権利、コンサートで前から3列目の右から3番目に座る権利、アイドルと握手する権利……。これらの権利を、所有者から譲り受ける、つまり、権利が移動していく仕組みが出来上がったのです。
『実際に取引されるのはデジタル署名を意味する「非代替性トークン」(NFT)で、暗号資産(仮想通貨)を支える基盤技術のブロックチェーンでオンラインデータの所有者を証明する。』 (中略) NFTはコピーさせない技術ではありません。コピーがあっても、オリジナルがどれなのかを証明できるという技術です。リアルのアート作品でも、コピーは大量にされていて、美術の本に印刷されていたり、Tシャツや絵葉書になっていたりするでしょう。リアルは、明らかに品質(素材)が異なるのですが、デジタルの場合は、全く劣化しないので、オリジナルであることの証明が難しかったのです。それが、NFTを使うことで可能になったのですね。
アート作品などが、2次売買で売れた時もロイヤリティがアーティストに支払われるのを、追求権といいます。EU加盟国などでは、この追求権が定められていて、オークションなどで2次売買されても、アーティストに収益が発生します。残念ながら、日本では、追求権は採用されていないので、そのような仕組みがありません。
- 前の記事
- 自伝でわかる現代アート
- 次の記事
- 中国笑話集
ご支援のお願い
もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。
Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com
ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
関連記事
宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八
2018/07/30 book-review book, migrated-from-shintaku.co
せせこましい人間界の日々に疲弊している人におすすめしたい。スケールが大きすぎて、 ...
図解 カメラの歴史 ダゲールからデジカメの登場まで
2020/06/15 book-review book, migrated-from-shintaku.co
「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」とは、よく言ったものである。慶應義塾 ...
日本のシンガポール占領―証言=「昭南島」の三年半
2017/07/22 book-review book, migrated-from-shintaku.co
私が今読むべき、マストな本だった。日本からシンガポール、そしてアジアにとってのヒ ...
詐欺師・ひっかけ商法の最新手口を公開! 騙しのカラクリ
2020/07/27 book-review book, migrated-from-shintaku.co
人の数だけ騙しの手口がある。サプリメント、老人介護、リフォーム、習い事、職業斡旋 ...
仏教聖典
2018/11/19 book-review book, migrated-from-shintaku.co, reread
日本人はだいたい仏教にも関わらず、まともに学んだことがなかった事を恥じたい。なん ...