〈問い〉から始めるアート思考 (吉井 仁実/光文社)

書籍〈問い〉から始めるアート思考(吉井 仁実/光文社)」の表紙画像

購入価格:902

評価:

この記事は約1分11秒で読めます

門外漢にも非常にわかりやすく書かれており、好感の持てる一冊。

アートとは? アーティストとは? というしばしばアート界隈で議論になるトピックに対し明快な意見(答えに近いのではないかと思う)が述べられており、なるほどなと、今更ながらアーティストとしての自分を再認識させられた。

アート関連の書籍はかなり読んできた方だと思うが、本書で初めて「ジェネリックアーティスト」という言葉を知る。言い得て妙な表現で、無数のジェネリックアーティストが思い浮かんでしまう。

「ジェネリックアーティスト」という言葉をご存じでしょうか。「ジェネリック」という言葉はいろいろな分野で使われているようですが、近年、アートの分野でもよく耳にします。このジェネリックアーティストの作品の特徴は、有名なアーティストの作品の雰囲気と似ているところです。例えば、奈良美智さんの作風に似ているアーティストがいるのですが、その作品がセカンダリーマーケットなどで人気だったりします。

私は、アートには社会に向けられた「問い」とアーティストの「作りたいから作る」という意志が不可欠だと思っています。クライアントワークの作品にはこの「問い」と「意志」を込めることができません。この違いが、アートとデザインを画す一線だと思っています。

アートのように深く感じさせて考えさせるものが世の中で少なくなっているような気がするのですが、イノベーションを生み出すのは「問題解決」からではなく、「問い」なのではないかと思うのです。

ご支援のお願い

もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。

Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com

Amazonほしい物リストで支援する

PayPalで支援する(手数料の関係で300円~)

     

ブログ一覧

  • ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」

    2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。

  • 英語日記ブログ「Really Diary」

    2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。

  • 音声ブログ「まだ、死んでない。」

    2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。

  • 読書記録

    2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。

  関連記事

聴いて、話すための オランダ語基本単語2000

ビール(bier), シロップ(siroop), マドロス(matroos ...

第三次世界大戦はもう始まっている

2022/11/12   政治・社会, 読書記録

ロシアによるウクライナ侵攻から9ヶ月。しかし、日本を含む西側諸国は、ロシアは悪で ...

私の財産告白

久しぶりに心から尊敬できる人物に邂逅したという気持ち。 すべてその通りとしか言い ...

プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる

よっぽど思い入れのあるモノ以外は、ある程度の機能・品質を満たしていればそれでいい ...

物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国

2022/07/27   読書記録

今年2022年2月にあったロシアのウクライナ侵攻を契機に手をとった。 一時は熱狂 ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2024 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.