靖国神社 (大江志乃/岩波書店)

購入価格: 不明
評価:
この記事は約1分13秒で読めます
いかんせん内容がわかりにくい。よくわからん、もう少しわかりやすく書けないものかと思っていたが最後のあとがきでやっとこの本の本質がわかった。
著者は執筆の動機をこう記している。
「現実にまだ幼くさえあった私たちに、その生命を投げ出しても悔いぬという決意を強制した日本の近代天皇制への関心からであった」
靖国神社は特殊中の特殊な神社で、というのも靖国神社は神が増え続ける神社なのである。しかも、乃木希典、東条英機といった大将級の人物に限らず、ただ「天皇陛下のために戦死」すれば、靖国神社にてまつられ、神とされるのだ。
それでなにが悪いのかと思ったのだが、こんな歌があった。
上野駅から九段まで
勝手知らないじれったさ
杖を頼りに一日がかり
せがれ来たぞや会いに来た
つまり、好きでお国のために死んだわけでもあるまいに、その魂さえも返してくれないということなのだ。
とかなんとかはしょって書いてみたが、ぼくにはいまだもって靖国参拝の是非云々の意味さえわからない。
でもなんとなく、確かに魂くらい返してほしいのが人情だよなと、ごくごく一部分を抜き出してぬるいことを思う。
またこんな歌もある。
靖国の宮に御霊は鎮まるも
をりをりかへれ母の夢路に
なんで"ときどき"なんだ?ってね。
お国のためと一億大合唱していた時代ではあったのだろうが、天皇とは、お国とはいったいなんなのだろう。
- 前の記事
- たべもの文明考
- 次の記事
- 韓国のイメージ―戦後日本人の隣国観
出版社・編集者の皆様へ──商業出版のパートナーを探しています
*本ブログの連載記事「アメリカでホームレスとアートかハンバーガー」は、商業出版を前提に書き下ろしたものです。現在、出版してくださる出版社様を募集しております。ご興味をお持ちの方は、info@tomonishintaku.com までお気軽にご連絡ください。ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づくノンフィクション的なエッセイを執筆。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。英語の純粋な日記。呆れるほど普通なので、新宅に興味がない人は読む必要なし。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。日々の出来事や、思ったこと感じたことを台本・編集なしで吐露。毎日更新。
関連記事
自由か、さもなくば幸福か?: 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う
2014/04/26 book-review migrated-from-shintaku.co
読書会の課題図書なので読んだ。社会とか公共について興味が薄いぼくなので、あーそー ...
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50
2018/08/23 book-review migrated-from-shintaku.co
雑、と感じる向きもあろうが、私にはとてもよかった。科学的であるとは反証可能性があ ...
環境保護運動はどこが間違っているのか
2012/09/20 book-review migrated-from-shintaku.co
筆者があとがきにも書いているが、とにかくはうんざりする本である。 牛乳パック、古 ...
スターリン - 「非道の独裁者」の実像
2019/02/16 book-review migrated-from-shintaku.co
社会主義について知りたくて手に取ったが、タイトル通りスターリンその人の実像に迫る ...
勝手に生きろ!
2013/12/17 book-review migrated-from-shintaku.co
私はジェンダー論が苦手だ。なぜなら面倒くさいから。男は男らしくすればいいのだし、 ...