韓国のイメージ―戦後日本人の隣国観 (鄭 大均/中央公論新社)
購入価格: 不明
評価:
この記事は約2分55秒で読めます
韓国との関係が悪化する一方の現在ですが、読みました。
結論、いい本です。著者は日本と韓国のどちら側に立つわけでもなく、日本人と韓国人のお互いの感情、好きだけど嫌い、嫌いだけど好き、というようなアンビバレントな感情を、豊富な引用文で伝えようとしている。要するに、嫌韓流、好韓流、それらを読んで自分で考えてね、という感じ。
ただ、この本をふくめいろいろな本を読むと、韓国がいまだに慰安婦問題を筆頭にどうだとか言っているのは、やはりどうなのかと思わざるを得ない。日帝36年の植民地支配があったとはいえ、もう60年も経つのだ。韓国はいまだにその植民地支配による傷が癒えていないといって援助その他もろもろをせびるが、60年経っても癒えない傷があるとすれば、それはもう韓国人の能力の問題と言わざるを得ない。そもそも日韓併合は、当時の韓国の危機的状況もあり合意のうえだったのではないか。
日本を、ヒロシマを見よ。人類史上最悪の破壊行為を受けたうえで、現在67年が経って、アメリカのせいだ、アメリカが悪い、原爆を謝れ、大統領土下座しろ、などと言っているか。
大いに語弊があるかもしれないが、それはつまるところ韓国の民族にある卑しさのように思えてならない。
それはともかく、一番印象的で、妙に納得させられた部分を抜粋。
――私が韓国人の大学教授を日本料理の宴席に招いたことがある。酒肴のあとで、例によってお香々、ご飯、味噌汁が出た。この教養ある人がこれらの素材を見て、これを韓国流にアレンジしたとしても不思議ではない。彼は宴席で味噌汁の椀中にご飯を入れ、かき混ぜて食べ始めたのである。並居る日本人はびっくりしてただ見詰めていた。
/日本と韓国の食べ方の違いで困ることは、両者が両者の食べ方を、お互いに下品だと感ずる点である。私が正座をしながら、手に茶碗を持って、卵かけご飯を食べていたとしよう。ここにある韓国人が突然訪れる。彼の眼には囚人が座って、下品にも食器を手に持って、精力剤の生卵をなにやら米に混ぜて食べている、としか見えない。この場合、食器を手に持つことも、卵かけも、彼らにはすべてマイナス価値に属する行為となる。
/同じ床に座る文化、米食文化、箸を使う文化という範疇にありながら、しかしその様式が極端に異なる。正反対といってもよい。これが椅子に座る文化、麦食文化、箸を知らない文化であったなら、その距離ゆえに不快感はあまり起きず、返ってそれを需要し得る可能性がある。
(古田博司「悲しさに笑う韓国人」人間の科学社/1986年)
近くて遠い、韓国とはいったい。
ご支援のお願い
もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。
Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com
ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
-
読書記録
2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。
関連記事
愛国と信仰の構造 全体主義はよみがえるのか
2017/07/02 book-review book, migrated-from-shintaku.co, religion
新書らしからぬ濃厚さを感じた一冊。意義深い議論が目白押し。
モンスター 尼崎連続殺人事件の真実
2020/04/20 book-review migrated-from-shintaku.co
期待ほどではなかった。定期的に猟奇事件ものを読んでしまうが、私にとってこの手の本 ...
未経験からWebデザイナー、Web制作者になるための就転職活動ガイド
2020/06/18 book-review book, migrated-from-shintaku.co
個人ブログをまとめたというKindleの自費出版らしく、あまり期待していなかった ...
日本人の論理構造
2014/10/13 book-review book, migrated-from-shintaku.co
全編を通じて興味深い言説にあふれた良書。 【伊勢神宮に詣でた西行は「何事のおはし ...
英語で書いてみよう
2016/10/22 book-review book, english, migrated-from-shintaku.co
岩波ジュニア新書は最高である。というか、私の知的レベルは永遠にジュニア止まりであ ...