レーガノミックス―供給経済学の実験 (土志田 征一/中央公論社)

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アメリカにおけるホームレスの夥しさの原因を求める中で、レーガノミクスにたどり着いた。彼一流の哲学、自主独立をむねとし、公的援助は最低限。過大な援助は依存を生み、個人のやる気を削ぐから、というのはわからなくもないが、もはや自己責任ですべてどうにかなる時代でも状況でもない、とは思う。

両親が悲観的な少年をもっと明るくさせ、楽観的な少年には人生の障害を分からせようと考えた。そこで悲観的な少年を新しいきれいなオモチャのある部屋に、楽観的な少年を厩肥が積まれた部屋にとじこめてでかけた。両親が帰ってきたとき、悲観的な少年は、オモチャがこわれるのを心配してオモチャで遊ばず、泣いていた。楽観的な少年は嬉しそうに厩肥を掘り起こしていた。「こんなに馬ふんがあるのだから、きっと、このどこかにポニー(小馬)がいるよ」。

まず、自主独立、個人の尊厳を第一とする。したがって、公的援助は最低限でよい。過大な公的援助は依頼心を強め、個人のやる気を失わせると考える。第二に、一般的な機械を与えることが重要であって、結果は個人の責任である。その意味で経済成長の重要性が説かれる。レーガンもまた、ケネディが唱えたという理論、「浅瀬に座礁している多くの船を助けるには、水位を上げる(経済成長)ことが一番役立つ」を信奉していた。

第三に、レーガンが伝統的価値である慈善、隣人愛を信じていることである。貧者への公的扶助を削ることはそのまま貧者を見捨てることだとは、少なくともレーガンは思っていないであろう。「心暖かい隣人がいるから」というのが、メイン・ストリート・アメリカンの考え方であり、レーガン自身の哲学に違いない。

インフレは累進税率の下では、自動的に増税を生ずる。 (中略) 500万円の所得の人が5年間で600万円の年収になったとする。給料は2割増である。税率は500万円で10%、600万円で15%とすれば、手取り額は450万円から510万円と60万円の増加、つまり13%の増加となる。仮りに、この間に物価が上がっていなければ、手取り額の増加は喜ばしいことだが、5年間で2割物価が上がっていたら、手取り額の増加は物価上昇に追いついていない。他方、政府の方は、これによって収入が50万円から90万円へと8割も増加している

     

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