生活リズムの文化史 (加藤秀俊/講談社)

書籍生活リズムの文化史(加藤秀俊/講談社)」の表紙画像

購入価格: 不明

評価:

この記事は約1分1秒で読めます

いかにも学者だなあという作者が、ぼやぼやととりとめもなく考えを綴ってみました、という感じのゆるい一冊。

どこか世間離れした――へえ、庶民はそんな感じで生きてるんだねえという距離感――ものごとへの眼差しが微笑ましい、というより、うらやましい。ぼくもそのようにぼんやり生きていきたい。

さて、断片的に内容紹介。

江戸時代の人々は寺の鐘の音で起きていた。おもしろいことに、記録によると、こうした江戸のお寺はその鐘によって起きる人々から目覚まし賃とでもいうべき料金を徴収していた。現在の金銭に換算すると一月に150円程度だった。

作者の、戦後間もない頃の通勤電車の回想。

電車は焼け残りのオンボロ車輛。運転本数も少なかったから、文字どおり車内はパンク寸前。ガラス窓が割れるなどというのはごく当たり前で、ときには人間の圧力でドアが外れたりしたこともあった。ガラス産業も壊滅状態にあったので、窓ガラスの入れ替えもできない。割れたあとはベニヤ板を打ち付け、おかげで車内は真っ暗。それに加えて、停電もしょっちゅう起きた。満員のうえに、電車が20分も30分も停止し続けていたのでな、もうどうにもならぬ。夏の暑い日には、失神する人なども現れた。

本のタイトルはあんまり関係なく、作者の気ままなエッセイとしてみれば、まあまあ読む価値はあるかもしれない。

     

ブログ一覧

  関連記事

三島由紀夫―剣と寒紅

興味深く読めた。賛否はあるようだが、「書くとはどういうことか」を改めて考えさせら ...

築くほどにおののくのは崩壊

2008/03/12   エッセイ

ゲロゲロ、とよく言う人がいる。一人は大学からの同級生で、1人は母親だ。 わ、死語 ...

偏見の構造―日本人の人種観

アメリカの心理学者ゴードン・オルポートの定義によると、「偏見とは十分な根拠もなし ...

正直には話せない

2008/02/28   エッセイ

あぁー、びっくりするぐらい鬱陶しい。落ちただ受かっただ早稲田だ慶應だ成城だとべら ...

たべもの文明考

ほんっとすばらしい本。 ぼくが愛するのはこういう本だという代表のような内容で、と ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2026 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.