動物農場 (ジョージ・オーウェル/角川書店)
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評価:
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何年か前、なにかの本であらすじが紹介されていて、読みたいと思っていたのをやっと読んだ。
まず、おもしろい。解説を寄せている開高健が言っているが「読む人がこの主題にどれだけ関心、情熱、経験、学識、覚悟が、あるか、ないか。そのこと次第でどうにでも浅くなったり深くなったりする、容易ならざるおとぎ話である」と言っているが、まさにそのとおりの内容である。
イソップ童話によくあるような、擬人化された動物が主人公である。日々こき使われ人間に搾取されている豚や鶏、山羊や馬が、ある日反乱を起こし、動物にとっての楽園を作ろうとする。
反乱は成功し、人間たちは追い出され、動物たちは楽しく暮らし始めるのだが、いつしか豚が指導者のような立場になり、それがどんどん加速していく。人間のものは使ってはいけない、酒は飲んではいけないと言っていたのに、あれこれと理由をつけて、豚は人間が残していったベッドで眠り酒を飲むようになる。
結局最終的には、豚はおぼつかないながら二本足で歩くようになり、かつてあれほど忌み嫌っていた人間そっくりになって、他の動物を支配するようになってしまう。
敵を打ち倒し楽園を手に入れるという理想を求めて出発したのに、いつのまにか敵そっくりに成り果ててしまう。
強烈な皮肉を感じる。
が、やはりぼくの人格が未熟なせいだろう、開高健の言うように、この話の深さがいまいち理解できないでいる。
すごい話である予感だけは確かにあるのだが、なにがどうすごいのかを、うまく語れない。
というか、この作家についての解説を読んでいると、どうも自分と非常に似ているように思う。
「24金の率直」という解説のタイトルからして、ぼくのことを表しているようなのだが、このような記述がある。
「〜感じたまま、見たままを、類のない率直さで描いたのである。〜中略〜"感じたまま、見たまま"と題されたルポや紀行文や印象記の作者がいかに隠蔽して書いているらしいか、また事実そうであることを作者本人の口からそっと聞かされることがいかに多いか、また私自身の内部にもその衝動の濃淡の差こそあれ感ずることがいかに多いか。」
すごいわかる。隠蔽したい気持ち。やっぱり人間なので、自分をよく見せようと書いてしまう気持ちってのは、ぼくにもある。しかし、ぼくはそれをできる限り隠さずに書こうとはしてる。たぶん、人から見てぼくのブログがおもしろいとしたら、それはただ一重にこの作家オーウェルにあるような率直さ、正直さ、等身大さ故であろうと思う。
たぶん、人はぼくほど臆面もなく内面をさらけ出せないのだ。だから、きっとそれはぼくの強みであるだろう、という確信犯的な気持ちもあったりして。
まあ、ぼくの場合は率直というより「24金の無神経」といったところなんだけれども。
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