今日、派遣をクビになった 15人の底辺労働者の実態 (増田 明利/彩図社)
購入価格:472円
評価:
この記事は約1分48秒で読めます
無職、ホームレス、それらは怠慢を原因とされることが多い。特に昨今の自己責任論によれば、それはあなたのせいで、社会のせいではない。
もともと私はそのような論に反感を持っているが、本書を読んでその思いを新たにした。世の中にはいろんな人がいる。要領がよく、仕事ができる人ばかりではない。運が悪いとしかいいようのない人もごまんといる。
それを単純に「てめえのせい」で片付けることは、未来の自分や家族、知人友人の誰かの首を締めることになるだろうと思う。
宮澤さんは28歳という若さからか中高年者のような切迫感が感じられないのだ。服装はそこそこ小奇麗でやつれた様子もない。使っている携帯電話は最新機種で月1万円も料金を払っているそうだ。タバコは350円もするパーラメントのロングサイズ。本当に生活困窮者だったらこんな贅沢はしないと思うのだが……。
上記のように感じる気持ちはわからないでもないが、私はそれを是としない。それなら、身分相当に、悲しく哀れに見えるように演じればいいのかという話である。
- 前の記事
- ホームレスが流した涙
- 次の記事
- デジカメに1000万画素はいらない
ご支援のお願い
もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。
Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com
ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
関連記事
ドキュメント 屠場
2014/12/09 book-review book, migrated-from-shintaku.co
差別との戦い、労働環境との戦い、それが屠場、というか、日本における生き物を屠る者 ...
ニセ札つかいの手記
2012/08/26 book-review migrated-from-shintaku.co
評価はニセ札の手記だけの場合。 この本には他に二編【ピラミッド付近の行方不明者】 ...
現代アラブの社会思想
2017/12/21 book-review book, migrated-from-shintaku.co, religion
まず、本書が911から半年も経たずに書かれたというのは素晴らしい反応と思う。いく ...
砂糖の世界史
2017/12/29 book-review book, migrated-from-shintaku.co
もはやジュニア新書ではない。イギリスの産業革命とそれと表裏の奴隷の歴史。考えさせ ...
英語で話すヒント 通訳者が教える上達法
2013/03/31 book-review english, migrated-from-shintaku.co
漢文にも等しい古語で書かれていて、非常に読みにくい部分が多々あるが、それでも興味 ...