ほぼエッセイ、ときどき現代の美術とアート。

フリーター、野宿者、そして衰退する日本(1)

  2017/08/22

早朝に一日一時間制作、帰ってランニング、しかし体重動かず66.2kg。

今日はいつも以上に話が長くなる。

というのも、2枚目の画像の「ルポ 最底辺 不安定就労と野宿/生田武志/ちくま新書」を読んで、そうとうの衝撃を受けたのだ。

これは日本国民のひとりとして、また、あと50年くらいはこの日本と付き合って行かねばならない身として、ぜひともぼくの周辺の極小コミュニティ内でだけでも伝えねばならないと、唐突に陳腐な使命感を持ってしまったのである。とにかくこの本に書かれていることについて知ってほしい。

しかしただだらだらと感想文を書いてもしょうがないので、ぼくの独断と偏見に基づいて下記の三部構成でお送りしようと思う。

その1.「われわれ一般人と野宿者(ホームレス)は別次元の存在か」

その2.「国家にとって野宿者(ホームレス)とはなにか」

その3.「われわれの未来に野宿者(ホームレス)が及ぼす影響」

では、はじまりはじまり。

その1.「われわれ一般人と野宿者(ホームレス)は別次元の存在か」

結論から言うと明日はわが身である。

ぼくを含め多くの人はホームレスのことをなまけ者だと思っている。また、努力が足りなかったからそうなってしまったのだと、つまり本人の自己責任だと思っている。だから、われわれはほとんどあからさまにホームレスを疎ましく思い、またそのような態度を取ることに対してあまり抵抗がないし罪の意識も薄い。それは障がい者への対応と比べると雲泥の差である。

われわれの多くは障がい者のことを「好きでああなったわけではない、かわいそうな人だ」と思う。しかしホームレスに関しては「少なくともそうなった理由は彼自身にある。自業自得だ」というふうに思うことが多い。

しかし本当にそうだろうか。極端に言えば、好きでそうなり、好きでそのような生活をしているのだろうか。

多くのホームレスは段階を踏んでホームレスに至る。失業がその最たるもので、収入が途絶え、家賃が払えなくなる。頼れる知人友人親類縁者が居ればいいが、居なければ路頭に迷うことになり、ホームレスとなる。そして住所不定の者を雇う企業などまずないので、再就職でつまづく。ホームレスが常態化し、抜け出せなくなる。生活保護など行政に頼ればよいという声もあろうが、それができれば苦労はしない。行政の助けはわれわれが考えるほどには機能していないのだ。また、行政の助けを借りることに抵抗や引け目があり、どうにか自活しようとする者も多いのが現実なのである(よく見るアルミ缶集めなどがそれだ)。

いつの時代のどんな社会でも、世の中には常に失業者が存在する。ときどき報じられる失業率がそれだが、では、「失業者=努力の足りないなまけ者」なのだろうか。失業率が高いということは、なまけ者が多いということだろうか。かつて日本の失業率は他の先進国にくらべ驚異的な低さであったが、ではそのころはなまけ者が少なかったのだろうか? 転じて昨今の失業率の上昇はなまけ者が増えたから?

現代日本には(他の国でも同じことだが)、仕事を求める人間すべてに、まともな暮らしができる最低限とされる生活保護水準以上の収入が得られる仕事が無い、というのが現実なのである。それはつまりイス取りゲームと同じように、誰かが仕事を得れば、誰かが仕事を失う、そのような構造になっているのである。だからそれは必ずしも努力とは関係しない。イス取りゲームの参加者全員が寝る間を惜しんで努力したとしても、やはり必ずあぶれる者が発生する。

わたしが、あなたが、一生仕事にあぶれないという保障はどこにもないのだ。

日本は欧米を20年遅れで追いかけていると言われる。アメリカなどの失業率は日本の比ではないのは周知の事実だが、日本はいま、その定説のとおり、やはり追いかけているのである。

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