武器としての書く技術 (イケダ ハヤト/中経出版)

購入価格: Kindle Unlimited(0円)
評価:
この記事は約2分59秒で読めます
まだ東京で消耗してるの? と啖呵を切って高知に移住した人、ネット界隈で賛否のある人、くらいのイメージしかなかった。しかし、彼の才能は本物だと思う。
トレーニングがすべて
著者の文章を読むこと自体が初めてだった。ブログもツイッターも見ていないので、私に色眼鏡はない。そこでまず思ったのは、彼は文章がうまい。読みやすい。月に40万字書いているという恐るべき鍛錬は伊達ではない。しかしそれだけ書いて、これだけ書けて、稼ぎは月に50万程度かあ、とも思う。
誰でも書けないブログ
著者はみんなブログを書くべきだと主張する。ブログはどんな業種の人にとっても営業ツールになるし、アウトプットすることは理解と記憶の定着にもよいという。
ブログ歴10年超の私としてもその通りだと思うが、ふつう、そんな簡単に文章が書けるものではない。それに続きもしない。そこには並々ならぬ情熱が必要なのだ。いい年をした大人で、枯れない情熱を持っている人は稀だ。
ブログで婉曲的な語法を使う人たちは、単に自分を守ろうとしているだけです。「和をもって尊しとなす」のは、「みんなのためを思って」ではなく「自分が叩かれたくないから」です。そこに気づかねばなりません。本当にそう思うのなら、強く断定すればいいのです。自分を希薄化させることはありません。言葉を濁すのは、叩かれるのが怖いからです。個性を発揮するのを、恐れているからです。
単純明解だから叩かれる
彼の文章や主張はとにかくシンプルである。だからこそ叩かれるのではなかろうか。ふつうの人にはとても難しいことを、サクッと割り切り、ザックリ切り捨てる。たぶんそういうところが、ふつうの人にはムカつくのだろう。先の「まだ東京で消耗してるの?」なんて物言いもそうだが、「それができりゃ苦労しねーよ馬鹿!」と、ふつうの人は文句の一つも垂れたくなるのだろう。
ぼくは会社員時代、会社の論理に従うことが嫌でした。会社が勝手に仕事を受注した、やりたくもない仕事が上から振ってきて、下で働く人たちに「仕事を断る自由」がないというのは、おかしいと思っていました。毎朝の出勤が義務づけられ「働く場所と時間を選ぶ自由」が与えられていないことも、強い違和感を覚えていました。
疑問を抱えて死んでゆく
現状に疑問がないという人はいない。毎日起きて会社に行って働いてしょっちゅう残業して、その日々のルーティンの中に、なんの疑問もなくすべて満足という人はいない。だが、ふつうの人は、そんな疑問を疑問のままにしておく。それこそ墓まで持っていく。
一方、何か疑問を感じれば、素直に己に従って、実際に人生の方向を変える人もいる。そういう人は、やはりふつうではないのだ。
出版社・編集者の皆様へ──商業出版のパートナーを探しています
*本ブログの連載記事「アメリカでホームレスとアートかハンバーガー」は、商業出版を前提に書き下ろしたものです。現在、出版してくださる出版社様を募集しております。ご興味をお持ちの方は、info@tomonishintaku.com までお気軽にご連絡ください。ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づくノンフィクション的なエッセイを執筆。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。英語の純粋な日記。呆れるほど普通なので、新宅に興味がない人は読む必要なし。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。日々の出来事や、思ったこと感じたことを台本・編集なしで吐露。毎日更新。
関連記事
アメリカでお医者さんにかかるときの本
2019/03/08 book-review migrated-from-shintaku.co
無鉄砲でありながら小心者でもあるので、渡米における一番の心配点についてお勉強。4 ...
ヨブ記の研究
2019/01/20 book-review book, migrated-from-shintaku.co
今のところ聖書の中で一番好きなヨブ記。その理解に大いに役立つ一冊。正しい人ヨブが ...
読むだけですっきりわかる世界史(近代編)コロンブスから南北戦争まで
2012/12/09 book-review migrated-from-shintaku.co
ムカつく本である。この著者、なにかこの歴史シリーズがベストセラーになるほどバカ売 ...
容疑者Xの献身
2012/12/31 book-review migrated-from-shintaku.co
最近やたらとよく聞くようになったNFTだが、まったく理解していなかったので、素直 ...
新型肺炎 感染爆発と中国の真実 中国五千年の疫病史が物語るパンデミック
2020/03/31 book-review migrated-from-shintaku.co
何故いつも中国から病が発生するのかと思っていたのが腑に落ちた。ヘイト的な偏見を排 ...