武器としての書く技術 (イケダ ハヤト/中経出版)

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まだ東京で消耗してるの? と啖呵を切って高知に移住した人、ネット界隈で賛否のある人、くらいのイメージしかなかった。しかし、彼の才能は本物だと思う。

トレーニングがすべて

著者の文章を読むこと自体が初めてだった。ブログもツイッターも見ていないので、私に色眼鏡はない。そこでまず思ったのは、彼は文章がうまい。読みやすい。月に40万字書いているという恐るべき鍛錬は伊達ではない。しかしそれだけ書いて、これだけ書けて、稼ぎは月に50万程度かあ、とも思う。

誰でも書けないブログ

著者はみんなブログを書くべきだと主張する。ブログはどんな業種の人にとっても営業ツールになるし、アウトプットすることは理解と記憶の定着にもよいという。

ブログ歴10年超の私としてもその通りだと思うが、ふつう、そんな簡単に文章が書けるものではない。それに続きもしない。そこには並々ならぬ情熱が必要なのだ。いい年をした大人で、枯れない情熱を持っている人は稀だ。

ブログで婉曲的な語法を使う人たちは、単に自分を守ろうとしているだけです。「和をもって尊しとなす」のは、「みんなのためを思って」ではなく「自分が叩かれたくないから」です。そこに気づかねばなりません。本当にそう思うのなら、強く断定すればいいのです。自分を希薄化させることはありません。言葉を濁すのは、叩かれるのが怖いからです。個性を発揮するのを、恐れているからです。

単純明解だから叩かれる

彼の文章や主張はとにかくシンプルである。だからこそ叩かれるのではなかろうか。ふつうの人にはとても難しいことを、サクッと割り切り、ザックリ切り捨てる。たぶんそういうところが、ふつうの人にはムカつくのだろう。先の「まだ東京で消耗してるの?」なんて物言いもそうだが、「それができりゃ苦労しねーよ馬鹿!」と、ふつうの人は文句の一つも垂れたくなるのだろう。

ぼくは会社員時代、会社の論理に従うことが嫌でした。会社が勝手に仕事を受注した、やりたくもない仕事が上から振ってきて、下で働く人たちに「仕事を断る自由」がないというのは、おかしいと思っていました。毎朝の出勤が義務づけられ「働く場所と時間を選ぶ自由」が与えられていないことも、強い違和感を覚えていました。

疑問を抱えて死んでゆく

現状に疑問がないという人はいない。毎日起きて会社に行って働いてしょっちゅう残業して、その日々のルーティンの中に、なんの疑問もなくすべて満足という人はいない。だが、ふつうの人は、そんな疑問を疑問のままにしておく。それこそ墓まで持っていく。

一方、何か疑問を感じれば、素直に己に従って、実際に人生の方向を変える人もいる。そういう人は、やはりふつうではないのだ。

     

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