話し方の知恵―こんなときどう話す (酒井 広/日東書院)

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亡くなった祖母の本棚にあって、なんとなく手にとった。

まず気になるのは表紙。現代の目から見ると非常なインパクトがある。

しかし内容は、知恵というよりもダジャレが9割を占めており、これはいったいどういう本で、そしてどんな知恵がつくのだろうかと、最後までわからずじまいであった。

東京工業大学の芳賀先生に聞いたところでは、最近の若い人の云い方は、漢語まじりの表現をする人が多くなってきたそうです。「水道の水の出が悪くなった」と云うのを、「水道の本質的構造の欠かんにより、その稀弱性が暴露された」などと、表現するわけです。なんとむずかしい表現でしょう。 (中略) 全学連の学生などが、「ワレワレノオー、全人的ィー、かつ、長期的ィー、戦いノオー、終末ノオー、時期ガアー、到来したのであるウー、より巨視的な展望からすればあー、小さなあ、挫折でありィー、ミクロ的に見ればアー、より拡大されたあ、勝利の記録であるうー」やたらに、テキが多く、なにやら理屈っぽくて、わかったようなわからないような、自己満足の表現になっています。

深瀬勇さんの自己紹介
「わたくしは、渋谷の小さな会社の会社員です。渋谷の忠犬ハチ公のそばの会社につとめて、まるでハチ公のように忠実な社員になろうと努力しているものです。名前は深瀬(フカセ)と申します。小学校の頃は、友だちから『いも、フカセ、いも、フカセ』とからかわれていました。食織難時代の小学生にとって、いもは貴重な代用食でした。『いも、フカセ!』は、ささやかなこどもの願いもこめられていたのかも知れません。今や私も、いもの如くころころと中年肥りになりました。わたくしは、渋谷の深瀬勇でございます」

東北のある青年のあいさつに、こんなのがありました(方言をそのままにかきます)。
「ワタス生まれは、山形でし。ワタスの地方では、ことばのシタにコをつけることが多いです。たとえば、牛のことをベコ、子牛はベコッコ。こどもはワラスコ、ドジョーはドジョッコだの、歌にもありますね。ドジョッコだの、フナッコだの…… 全部、コがついています。それが標準語にも取り入れられるようになりました。本当です。おシッコというのがそれです……」(全員爆笑)

     

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