中国語のすすめ (鐘ヶ江 信光/鐘ヶ江 信光 (著)講談社)

書籍中国語のすすめ(鐘ヶ江 信光/鐘ヶ江 信光 (著)講談社)」の表紙画像

購入価格:257

評価:

この記事は約2分48秒で読めます

言うまでもなく中国ではKanjiキャラクターが使われているので、嫌でも親しみがわく。いやいや、全然わかないという人は、ちょっと偏見が強すぎるので改めたほうがいい。

むろん、漢字の読み方はまったくといっていいほど異なるが、文字と音とを、わけもわからないながらも学んでいくと、はからずも日本語との共通点を見つけたりして、地味におもしろいものである。

「支那」というのはいったいどうしてできたなまえかといいますと、秦の始皇帝が全国を統一し、その威武は国の内外に及び、外国人は「秦」をなまって「支那」といった(大漢和辞典)ともいわれますが、また中国の学僧蘇曼殊は、時代的に見てそれは誤りで、紀元前千四百年ごろの印度の古詩の中に、中国をさして「チナ」という名称が使われており、それが仏典の中にしばしば用いられ、中国の呼称になったのだ、というのです。仏典の中には「至那」「脂那」「支那」と書かれてあり、これはインド人がそのように呼んでいるのを中国人が音を写して書いたもので、いずれにしても「支那」という名称の起こりはインドで、それを転写したのが中国人自身でした。英語のChinaも同様の経路でできたことばです。

中国の標準語には、清音と半濁音だけで、「ばびぶべぼ」というような濁音はないのです。古代の中国語にはありましたが、いまでは方言にすこし残っているだけです。た中国語に濁音がないということが、中国語の発音に澄み切ったきれいさをもたせている一つの理由でしょう。ですから、中国人には、「ばびぶべぼ」「がぎぐげご」といった音はにがてなのです。

「都度」は「つど」と読み、「そのたびごとに……」の意味ですが、「都」と「度」と書いてなぜ「そのたびごとに」となるのでしょうか。ここにも中国語があったのです。“都”は(トゥdu)音が「ッ」になったもの、そして“都”の意味は「すべて、それぞれ」という中国語なのです。ですから、「都度」と書いて「そのたびごとに」となるしだいです。 (中略) 「椅子」「帽子」なども中国語で、これもあまりにも日本語化されたのでふしぎに思う余地さえないのです。どちらも“椅”“帽”で意味は足りているのですが、二音節語にするばあいに、接尾詞として“子”が慣用されて、“椅子”“帽子”となったものです。

ご支援のお願い

もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。

Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com

Amazonほしい物リストで支援する

PayPalで支援する(手数料の関係で300円~)

     

ブログ一覧

  • ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」

    2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。

  • 英語日記ブログ「Really Diary」

    2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んでも一切おもしろくない。

  • 音声ブログ「まだ、死んでない。」

    2020年より開始。日々の出来事や、思ったこと感じたことをとりとめもなく吐露。死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。

  関連記事

野獣系でいこう!!

5年後にはオランダで永住権を得るために必要な市民化プログラムの試験を受けるつもり ...

一日15分で必ずわかる英語「再」入門

英語関連の本は常時5、6冊読み進めているが、血肉となるには程遠い。特に急に話しか ...

強権と不安の超大国・ロシア 旧ソ連諸国から見た「光と影」

なんかこの評価、おすすめ3、自己満足2って多い気がする。自分はあんまり満足してな ...

アメリカ黒人の歴史 新版

黒人の歴史とは奴隷の歴史である。いくら人類の起源がアフリカにあると言っても、少な ...

旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる

たまに「日本で絶望して自殺するくらいならインドでも行ったほうがいい」なんて乱暴な ...