絵画の二十世紀 マチスからジャコメッティまで (前田英樹/NHK出版)
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大量生産、大量販売、大量消費の時代の終焉し、個々人が網の目のようにつながって商売が成り立つ時代が見える。それは昔の小さな町の組合のような、濃厚な人間関係における口利きのような、古くて新しいカタチのように思われる。
消費者から見て、機能的な差異はアピールに乏しく、わざわざ新商品に飛びつく気になれない、という現象が起きていたと思われます。競合商品とのスペックの違いを訴えなくとも、DtoCは顧客を獲得し、維持できている。ここに大きく貢献しているもののひとつは、顧客との直接的、双方向的なコミュニケーションです。
アメリカでなぜDtoCが流行ったかというと、安くてよいものがあるからなんです。アメリカは貧富の差が激しくなって、消費者が同じ商品をもう買えないのです。なので、同じようなものなら値段が安いほうを買いたいけれど、ブランドがないとそれはそれで恥ずかしい。そういう意味で、ブランドの存在価値はありますね。だからどちらかというとDtoCは、今までのものを買えなくなった消費者に、よりよいブランドでよりよい価値、価格に見合うものを提供しているというのが、DtoC本来の考え方だと思いますよ。
マーケティングの初心者の方は、売りたい商品を買ってくれる人を探しています。つまり、誰に売るのか、ターゲットを決めない。大手のメーカーでも、「ターゲットはどういう方ですか」と伺うと、「買ってほしい人」ではなく、「買ってくれそうな人」をターゲットにしているケースが多いんですね。買ってほしい人をターゲットにすべきです。買ってくれそうな人に手当たり次第声をかけて、ではない。誰なら幸せにできるのかに向き合って、その人が喜んで買ってくれるまで何をしたらいいのか、を考えるのが最善だと思います。だから、マーケティングを始めるときは、ターゲティングをすることからやるべきだと思います。
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