解釈につよくなるための英文50 (行方 昭夫/岩波書店)
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まず、声を大にして言いたい。本書は「ジュニア新書」となっているが、まったくもってジュニアレベルではない。シニアレベル以外のなにものでもなく、中学英語レベルを期待して手に取ると痛い目に合う。
トランプは浮浪者?
英語は数ある世界の言語の中でも桁違いに単語数が多く、100万語以上の単語があり、さらに毎年数千語ずつ増加しているという。
参考: 英語の謎に迫る!英単語は一体いくつ存在するのか?
以下はClarence Day/クラランス・デイ(1874-1935)というアメリカのユーモア作家の文章だが、その中に出てくるTrampという単語の意味にはギョッとさせられる。
I wanted to be a cowboy, I told Father on the way home. He chuckled and said no, I didnt. He said I might as well be a tramp.
大意は、カウボーイになりたいと父に言うと、それなら浮浪者になる方がマシだというのである。
もっとも、ここでのTramp(浮浪者)と、いま話題の米大統領Donald Trumpとはつづりが異なる。ただ、日本人にとってはどちらもトランプで区別がつかず、悪い冗談かと思ってしまう。
英語のニュアンスを知らない
2016年、私はシンガポールに海外転職することになったことをきっかけに本気で英語の勉強を始めた。その後アメリカのロサンゼルスにも1年半ほど暮らしたが、もっとも英語力アップに効果があったと思うのは、正直なところ、オンライン英会話である。
compliment は「褒め言葉」で flattery は「お世辞」と覚えておけば,90%の場合正しいと思う.
いつだったか、私が女性を褒めると「You flatter me」と返されたことがある。そういう実体験は記憶の定着率も最高だが、日々こつこつと、市販の文法書を読み、オンライン英会話を続けるだけでも、外国人に話しかけられても困らないレベルには到達できると思う。
ちなみに本当に英語が苦手な初心者におすすめしたいのは、『新装版 英文法のトリセツ じっくり基礎編』である。私はTOEIC300点という底辺から出発したが、そんな私でも挫折せずに読むことができ、その後の道標になった。
それでも知識がものを言う
日本人は英語を書けるがしゃべれないという。どちらもまったくできなかった私は、あるいは日本人ではないのかもしれない。しかしポケモン集めよろしく、本書にあるような豆知識を地道に集めることで得られるものは多い。
girl という語は注意して欲しい.コンテクストを無視して機械的に「少女」と訳す日本人は無数にいるからね.やや誇張していえば,「少女」に相当する英語は,little girl であって,girl ではない.girl は大人である若い女性を指す場合が圧倒的に多い
繰り返しになるが、本書で紹介されている英文はどれもこれも難解で、解説を読まずに理解できるという人は、そもそもすでに十分な英語力をお持ちなので、他のことでも勉強した方がいいのではないだろうか、というくらいレベルが高い。とにかくは絶対にジュニアではない。
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