吉野屋牛丼とすき家豚とろ丼の違い

  2017/08/22

この奇怪な画像はぼくのパソコンのフォルダの様子。きれいにパーツ分けをしようと整理したら、こうなった。もう、シュールすぎる。けど、ひどく気に入っている。この調子で、次はなか卯のうどんあたりを狙うのだ。液体系は絶対的に美しい。
で、今日のタイトル、何の話だよという感じだけど、昨日わたしはすき家豚とろ丼を食べました。そして世界堂に行って50号のパネルと色鉛筆数本を買い、どの紙を使うかを真面目に検討しました。鳥の子紙でいくかワトソン紙にするか、などなど。
それはさておき豚トロ丼。誘惑多き夜をお酒を飲まずにやり過ごすには、とにかく一刻も早く夕食を胃袋に収めてしまうに限るので宵の口にささっと食べたのです。とにかくは早く寝て早く起きたいから。
で、作戦は成功し、今日は3時に起きれた。もっと早く起きたい。絵にしろ何にしろ、夜のほうがはかどるっていう人は多いけど、ぼくは断然朝だと思う。というか、夜だと本当に5分もぼけっとしてしまうとすぐにお酒に手が伸びてしまうのでよくない。朝だとさすがに飲めないのでよろしい。そして時間が限られているのがまたよい。何時間もあるぞーと思うとすぐにだらだらしてしまうから。というような諸事情あって、ぼくは朝に活動をする。
今朝も絵を描いたのだが、もう1時間ほしいと思う、思った。ワンモアタイム。しっかりと家事をして本も読んで自画像も描いて絵の制作もしてとなると、朝に5時間はほしい。そうなると2時に起きるしかないということになる。
そんな時間、もはや漁師、はたまた農家である。ちなみにぼくは早起きは苦にならないほうです。
そんな話はよろしい。とにかくは、豚とろ丼を食べた。
食べながら思った、さすがにこれを"落下"させて"残飯"にしてしまうのは気が引けるなあ、と。
牛丼と何が違うのかと思った。初めて食べる料理だから、物珍しさがそう思わせるのかもしれなかった。とにかくは牛丼よりも上の食べ物であるような気がした。
手がかかっているといおうか、牛丼にはない抵抗感。ああそうだ、牛丼よりも豚とろ丼は、"食べ物として意識"して食べてしまっているからなのだった。
そう考えると牛丼はつくづくファーストフードだと思う。改めて自論が間違ってはいないことを再認識した。牛丼を食べるってのはまったく作業的だ。このお肉がジューシーでね、見てくださいこのとろっとろのお肉、しっかり味も染みてましてね、はふはふ、うまうま、、ん〜やわらか〜い、もほぉ絶品、大将最高というようなコメントとは限りなく遠い食べ物、それが牛丼なのだ。
そうだそうだその通りだとか思いながら豚とろ丼並盛+サラダセットを食べ進めていると、カウンターの隣の席にけっこう太めの男性が座ってきた。
男性はメニューを広げ30秒ほど、その間なにを考えたか知らないが「牛丼特盛」と言った。
みそ汁も、はたまたサラダもお新香もなく、純粋に牛丼、そして特盛、である。
そりゃあんまりだよ、とぼくは思った。
おまえさん、それじゃああんまりにも見たまんまじゃないか。それじゃあ誰ひとりとしておまえさんにギャップを見い出せないし、それこそ○○くん、いや仮に豚田(とんだ)くんとしておこう、豚田くんって意外〜、そんな一面もあるんだ〜、とかっていう希望の光にも似たリアクションがまったく期待できないじゃないか。まんますぎるんだよそれじゃあ。なんの面白みもないんだよ。そりゃあ豚田くんは牛丼特盛食うだろうよ、ああ食うだろうよ、実際食ってるしこれからも食うんだろう、というか食うの早いよ豚田くん、よく噛めよく噛め、はふはふ、もふもふ、って、早い早い早い。
って、隣席の豚田くんのことばっかり気になって何食ってんだかよくわからない。だって、はふはふ、もふもふ、すごい勢いで食ってるんだもの。まあ、いろいろごちそうさまでした。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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