美術家 新宅睦仁のブログ。ほぼエッセイ、ときどき現代の美術とアート。

うなぎの鼻歌

    2017/08/22

元気があればなんでもできるということは、元気がなくてはなんにもできないということである。

この土日、まあぼちぼちと絵は描いて、そうして素晴らしい絵になる希望の光が見えてきたのでそれは誠に結構なのではあるが、その反面、どうも体調がよろしくないのである。そういうわけで日も高いうちから横になって茫々と考えるともなく考えていたら、ぼくはお店で"うなぎ"を食べたことが無いことに気がついた。いや、正確には、吉野家以外のお店でうなぎというものを食べたことがない。

子供のころより、うなぎといえばもっぱらスーパーのパックで、酒を少々ふりかけレンジでチンであった。それで朕はいと満足であった。

がしかし、ここにきて、うなぎを店で食べたことがないことにハッと気がついた。

それはもしかすると、うなぎとはどんな味なのか、実は知らないのではないかわたくしは、という疑念であり、それは沸き起こり渦巻いて、具合はさらに悪くなり、そう考えると、ぼくは何を根拠に「うなぎが好き」と言っていたのか、わからなくなってしまった。

ぼくはうなぎの何を知っているのか。

そういえば、樋口くんの実家は福岡の柳川あたりでうなぎが有名なところなので、幼少のころより家族連れ立ってよく食べにいったという。

しかしその頃ぼくは、CO-OPつまり生協でとったうなぎのパックに、例によって酒をふりかけレンジでチンして「おで、うなぎ大好き!」と平和にやっていたのであった。

なんか、別にそれはそれでいいんだけど、なんか急に、悲しくなってきた。

どうでもいいことが、取るに足りないようなことが急に悲しくなってきて、涙がはらり、ほろり、更年期障害かもしれない。

うなぎ、うなぎ、うなぎ。

教えてください。うなぎって、本当はどんな味なのですか。

新宅 睦仁

1982広島県生/2005九州産業大学卒/2013新宿調理師専門学校卒/現代美術家/ロサンゼルス在住のカトリック。牛丼やカップヌードル、コンビニ弁当等、食物をテーマに作品を制作している。無類の居酒屋好き。

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