夏とブルーとプール
2017/08/22
家の近くの保育所、いや託児所かな、みたいなところに、プールが出されていた。
今年導入したのだろうか、真新しいブルーのプール。
初夏の朝の光のもと、やけに美しかったので、一度通り過ぎたのを戻ってぱしゃり。
一応ぼくでも、夏は楽しかったという記憶がありすぎるほどにあるのだが、いまとなっては夏は単なる暑いだけの時期に成り下がってしまった。
しかし、おそらくは、子供ができればまた違った意味を持ってくるのだろう、ぼくにとっての夏、って倒置法。
やたらと最近、なにかと子供が居たら、子供にはああしようこうしようという思考回路が出てくる。超・結婚適齢期だからだろうか。
しかしまあ、冷静に考えてみると、親ほど損な商売もないよなあと思う。
汗水たらして、時には血も流し骨も削り身を切り売りするほどのひたむきな滅私奉公、愛情たっぷりに子供を育てたとしても、2・30年ばかりも育ててようやくで、ちょっとした贈り物や1泊二日程度の旅行のひとつやふたつをプレゼントされるのが関の山だろう。
割に合わないよなあと思う。
しかし、そこばかりは、単純に損得ではないのだろう、とは思う。
子は三界の足かせとはよく言ったものだが、しかし、その足かせとつながっているものは、現世、この人生そのものではないかしら。
生きる価値や意味なんて、そうそう見つけられるもんじゃない。
だから、たぶん、そういう足かせなんて呼ばれる"義務"によるほうが、たぶん、単純に生きる理由となって、また死なない理由にもなって、そうしてよりよく生きてゆけるのではないか。
人間なんて、暇だから。そして馬鹿だから。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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