都落ちメランコリック
2017/08/22
あるいは女性におけるマリッジブルーというやつは、こんな感じなのかもしれない。
月曜日。3時に起きてうどんを食べて個人の仕事を進め、そのあと絵を描いていると、ふと言いようのない不安とさみしさに襲われた。
自分の選択はこれでよかったのだろうか。
むろん、広島に帰ることについてである。
友達がいるわけでも恋人がいるわけでもない。そこでいったい、ぼくは果たしてうまくやれるのだろうか。楽しく過ごせるだろうか。満足できるのだろうか。
考えれば考えるほど迷いが生じ、また不安になる。あとわずか23日。しかし、選択するということは、そういうことだろうと思う。
他のすべての可能性を否定することでしか、選択はできないのだ。
ぼくは選ぶ。その道を選ぶ。それが間違っているか否かは問題ではない。ひとつの道を選びとるからには、自己の努力でもってその道が正解となるよう、満足のいくように努力するのが人間というものだろうと思う。
人は言う。「あの時、ああしておけばよかった」と。
しかしそれは、結局は現在の自己の努力不足以外の何ものでもないと思う。
だって人はいま現在を生きるしかない。自分がその一瞬一瞬において正しいと考えた選択を積み重ねていくしかない。
その先になにがあるかはわからない。幸か不幸かもわからない。そもそも生きるか死ぬかもわからない。何もかもわからない。しかしそれでも、わけがわからなくとも選ぶのだ。
少なくともぼくは、どうするか迷っているうちに機会が過ぎ去ってしまったとか、もっと言えば人生が終わってしまった、なんて人生にだけはしたくない。
後悔はしない主義である。というか、よくよく考えたら今まで後悔らしい後悔をしたことがない。
たぶん、選びとった瞬間に、その道が最善となってゆくものなのだと思う。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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