この地方を見よ

  2015/07/03

なんだかんだ都会の感覚が染み付いていることを感じる今日この頃。その最たるものは終電である。

終電を調べるたびに閉口する。エッ、22時台で終電……。

終電とは基本的に0時台だと思って生活していた身からすると、なんてやる気がないんだ広電と思ってしまう。

自転車に乗ろうかなとも思うが(自転車なら飲酒運転してもよいと思っている。軽車両だからダメなのだが)、それほどのモチベーションは、しかし無い。

というか、早く家に帰りなさいよと言えばその通りなのだが、別に早く帰りたいと思うような家ではない。

ああ、実家ってこんなにかったるかったんだなと、早くも飽きている自分が確かにいる。そういえば実家暮らしの子が、よく「一人暮らしいいなー」と言っていて、そんなとき決まってぼくは「そうでもないよ」と答えていたが、そうでもあったのかもしれないと思う。

樋口がよく、ぼくが何か、いかにも思いつきっぽいことをさも信念めいて言うと、おまえは絶対に飽きる!とことあるごとに言われていたが、確かに彼ほどぼくの本質を知っている人間は居ないのだと思う。はい、実家に飽きました。

つくづく飽きっぽいと思う。そして、思っていたより愛情というものがなく、唯一あるのは女性への愛情か情欲であって、地元への愛だとか家族への愛だとか、そういう、人間が持っていてしかるべき愛情、または愛着、というか、つまり優しさというものが、ぼくには決定的に欠けているのだと思う。仲睦まじく人を愛する(論語の仁)と願ってつけられた名前は、結局ただの名前であって、現実はそうとうに冷たくそっけなく、人を平気で傷つけるし切り捨てるし、ろくでもない人間である。(なんて書いたところでろくでもないなんてちっとも思っていないが。自分最高。)

そういえば、おまえは絶対一度は離婚するとこれまた樋口が言っていたが、まあ、そうかもしれないなと思う今日この頃である。

適当なところで妥協するなら、とっくに結婚して子供が三人くらいはいるだろう。いや、とっくに2、3回は離婚していて子供はもれなく腹違いでややこしいことになっている。しかし今後50年を一緒に過ごす人だと思うと、いやいや、妥協なんかするわけないだろう、理想が高くて何が悪い、むしろ当たり前だろう、というか、わたしほど素晴らしい人間がなぜ妥協する必要があるのだと、吠えて、吠えて、そうして結婚適齢期とさよならをすることになるのである。さよなら、日本人男性の平均初婚年齢。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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