友達のつくり方

  2017/08/22

画像については後ほどご説明するとして、先日の親戚宅での飲み会でのやり取り。

親戚大人A「ともくんが来ると思わんかったわー」

ぼく「いやいや、来るに決まってるじゃないですか。暇なんですから」

親戚大人A「暇なん?」

ぼく「友達いないんだからすることなんか何もないですよ!」

親戚大人B「地元なんじゃけえおるでしょう?」

ぼく「それがほんっとに、ひとりも居ないんですよ」

親戚子供A「友達おらんのん?意味ないじゃん!」

ぼく「(苦笑)確かに意味ないと思うわ」

親戚子供A「自分から話しかけたほうがいいよ!」

ぼく「そ、そうだね……」

子供はときに真理をさらりと言う。そう、自分から話しかけたほうがいいよね。アドバイスありがとう。でもね、ぼくはみんなバカばっかだから、安っぽい友達なんかクソ喰らえと思ってるから友達が居ないんだよ。つまり作らないから居ないんだよ。いや、言い訳だよね、ごめん。お、お、おれ、お友達になってください、って、言えるように、明日からがんばるよ。

さて、その子供が書いたお手紙が本日の画像。お母さんの誕生日に、手紙を書いたそうである。で、何年生だったか忘れたがたぶん3年生くらい。ままは鼻のぶつぶつが無くなったらかわいいよなんて件とかで平和に笑ったんだけど、その後、子供は読み上げながら泣き出してしまった。

けっこうやんちゃで気丈な感じの子なのだが、それを見て、ああ、わかるわー、その泣き出し方、懐かしいわー、と思った。

なんか、子供のころって、何かにつけ自分に酔っちゃうような感覚があった。いや、酔うとは違うかもしれない。何か、笑いなしで真剣に伝えようとすると、何故だか涙っぽくなってくるのだ。

それは内容によるのではない。ただ真剣にひとつのことをまっすぐに口にすると、思わず唇が震え出し、涙がにじんでくる。たとえば「ぼくはあなたが陸上をやっているのを見てからずっと好きでした」でもいいし、「こんなに仲いい友達はおらんと思う。大人になってもずっと友達でいような」でもいいし、とにかくは何か、いかにもセリフっぽい、ちゃんと伝えたい内容のある真面目なことをしゃべるときに、泣けてくるのである。

と、こう書いてみると、あれは酔いというようなものではないかもしれない。緊張の線が大きく振れるからとも言えるし、自分の感情が言葉をゆうに凌駕してしまうのかもしれないし、何かを伝えている自分と伝えられている誰かとの間に流れる空気というか雰囲気に圧倒されているのかもしれないし、自分の言葉が相手の感情をどのように動かしているのか、相手の心にどう響いているのか、その計り知れなさと不安によるのかもしれない。

日本語が超得意な自分としては珍しくうまく表現できないが、うんむ、あれはいったいなんという感情だったのだろう。泣き出さずにはいられなかったあの日あの時。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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