あんた、死ぬよ。もちろんおれも。
最終更新: 2015/07/03
キューブラーロスの死ぬ瞬間に始まり、自死という生き方、日本人の死に時、とか色々、死に関する本を読み漁っている。
読めば読むほど、のんびりする暇などこの人生にあるものかと思う。すべてはすぐに終わる。あっという間に終わる。
アガサクリスティではないが、真実、そして誰も居なくなる。
急ぎ過ぎることなどない。すべて全力で、ただちに遂行するのだ。
だって、死んでしまうんだ。
かつて、ぼくの家は父方の祖父祖母、両親、そして三人兄弟だったので、七人家族だった。
しかし祖父は鬼籍に入った。祖母もそう遠くはないだろう。両親もまたしかり。
ひとり、またひとりと減ってゆく。
とある、なんとはない、漠然と感じる"最高の瞬間"または"幸福なメンバー"というのは、気づけばいつも過ぎていて、回想の中で白昼夢のようにぼやついているだけだ。
どうしようもなく焦る。いや、焦るべきだろう。もっと、もっと、もっと。
非情な悲しさを感じる。
生まれて死んでゆく。ただそれだけのことなのだが、実際、三十も過ぎればにんげんの人生は後半と言って差し支えないと思う。
わたしは何をなすべきか。
さまざま思う。さまざま思って、全部ぶち壊したくなる。
楽しい日々、そのピークが過ぎてしまったのだということを、最近、やけにひしひしと感じる。それで、本意であると同時に不本意な現在に対して、神様をちょっとうらめしく思う。
神様の所在は知らないが、怒り心頭で、罵詈雑言を浴びせたくなる。
どうしておれをこんな境遇にしたんだ!
因果応報。自身が罪深いことは百も承知だが、しかしどうして、やりきれない。
かつてわたしにあった"幸福らしきもの"が、すべて流れていってしまったような。そんな気がする。
出口のない、光の見えない日々。

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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