誰も間違っていない
最近の患者は、ネットで仕入れた情報でもって医者に挑むという話をよく聞く。
いわゆる自己診断というやつだ。それはどうして、本人にとっては医者よりもよほど信憑性が高かったりする。
なぜかと考えるに、学びと同じ喜びを経ているからだろうと思う。自分で調べて、読み比べて、知識を得る。自発的な学びは、それ自体ひとつの快感となりうる。だからこそ2、3分の診察で簡単に言われたような言葉よりも重みを持ってしまうのだろう、本人にとっては。
しかし、それはあくまでもウンチク好きな趣味人の類であって、素人はどこまでも素人である。そうでなければプロの値打ちがない。
そんなに自信がおありならば、いっそ自分で医者の免状でも取ってみてはどうか。それでもって、いよいよという時は自分で開腹手術でもなんでもすればよろしい。
むろん、私は医者ではない。ただ、先の患者のような輩はどこにもいるので書いておいた。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
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2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
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