おれおれの快楽(トイレ/お手洗い/便所について)

最終更新: 2020/08/19

いちおう、昨日のブログ「それぞれの苦痛」の続きである。

「おまえが昼ごはんを他人と食べたくないのはよくわかった。しかし、その昼休憩にいったいおまえは何をしているんだ?」 という疑問が当然あってしかるべきだろう。いや、きっとそのような”需要”が発生しているに違いない。そう思ったので、これはもう誠実にお答えせねばなるまい。

さて、私の昼休憩の1時間は、東京に出てきてからのかれこれ10年間、ほぼ変わらない。

近くの公園や、どこか適当な建物の軒下(雨の日等)、会社の自席あるいは休憩室で、手製の弁当を食べる(最近はおにぎりor外食or食べないことも有)。これが移動を含めて約20分。それから、どこかのトイレ(大)に行く。

この”行きつけ”のトイレを見つけるのが一番苦労する。なんせ私はその個室に30分は閉じこもっているからである。

そのため、条件は非常に厳しい。うっかり生半可なトイレに入ろうものなら、果たして、出てこい糞野郎と、ノックのげんこの雨あられとなるのである。

しばらくはノックを打ち返して頑張ってはみるものの、あまりにもしつこい場合、私とて慌ててケツを拭いて出ていかざるをえない。しかし、その時の外で待っていた人々の顔といったらない。どれだけ待たせるんだ糞野郎、自宅で死ぬまで糞こいてやがれという感じで、ぼくを軽蔑と憤慨のまなざしで睨めつけているのである。ああ、あの恐ろしさといったら!

それはさておき、以下が私の求めるトイレ、いや、「This is トイレ」である。もし上野近辺でこの条件に該当する雪隠をご存じの方は、ぜひともご教示いただきたい。ちなみに、当然ながら男性用でお願い申し上げる。

・会社から至近であること。

・2つ以上のトイレ(大)があること(他の利用者がやってきた場合、私は出てこないことが前提なので、隣の人が出てゆく可能性に委ねるため)。

・ある程度キレイであること。

・買い物等の必要はなく、トイレのみの使用ができること。

・毎日そのトイレに通っても顔を覚えられず、匿名性が保たれること(理想はデパート等)。

次に、以上の条件で、今まで私が愛用させていただいたトイレ、いや、「御トイレ様」を列記したい。

・会社の入っている建物の別フロア
・ゲームセンター
・デパート
・区役所
・駅内

ベストは雨の日なども外に出なくて済むので「会社の入っている建物の別フロア」である。しかし、「顔を覚えられず、匿名性が保たれる」ほどの大きな建物に入っている会社で働けることはまれなので、なかなか難しい。

そういうわけで、いきおい、転職初日など、昼休憩はトイレ行脚の一択となる。トイレ乞食とも言えるだろう。

つらつらと書いてしまったが、ここでまとめとしたい。私の昼休憩の内実は、こうである。

移動/食事:20分
トイレ(大):35分
帰社:5分

ご覧の通り、選挙で言えば過半数がトイレである。民意というか、私の希望はただひたすらにトイレに尽きるのだ。お食事中の方には申し訳ないが、つまり、ほぼウンコなのである。そう、何を隠そう私はウンコだったのだ。

しかし、決してみくびってはならない。かの有名なパスカルの「パンセ」にはこうある。

「それは考えるウンコである。」

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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