そこここで汚れ、穢れ続ける

  2020/01/30

女性のわき毛すね毛などの体毛剃りカミソリで、口ヒゲは剃りたくない。

昨日に続き、本日もまたなんだか不本意な内容になりそうな予感である。一昨日あたりから読み始めた東野圭吾の「秘密」(友人のミサワ氏からの誕生日プレゼント)という小説の中に、体毛剃り用カミソリで口ヒゲ云々という記述が出てきて、ああ、それもまた穢れだなと思ったのがすべての原因である。むしろミサワが悪い(身内話でごめんなさい)。

それで考えた。基本的には、頭から足に近づくに連れて穢れ感が強まる。いや、股間の辺りがもっとも穢れ感が強い気がする。となると、人体の穢れを頭部から足先までグラフに表すと、股間を頂点とした山形を描く。あくまでもグラフの話である。男性の股間の状態云々の話ではない。

それからふと、体温計のことを思った。体温計は、そもそも脇の下という自分自身でもそこはかとなく穢れを感じてしまうような部位にはさんで使用するものである。となるとある意味、少々は汚れ、穢れていても問題はないのではないか。いや、問題はあるが、まあ、尿を注いだコップで水を飲むよりかは抵抗感も薄かろう。

そこで、人のどの部位に触れた体温計は使いたくないか、ということを考えてみたい(考えてみたいとか言ってるけど、今朝、ランニングに出かけ瀬戸内海を望みながらすでに考え終わっている)。

まず、自分の身体ならば、汚物にまみれているほどでなければ、大抵は問題ないであろう。なので、あくまでも他人の身体ということで考えてほしい。しかし他人といってもピンからキリ、つまり見知らぬ人から恋人家族配偶者まであるので、ここでは、数回会って挨拶した程度の面識で、特に嫌悪感も好感もなくごくニュートラルな他人、ということで考えることとする。

※下記の各部位に体温計を当てたのち、洗浄殺菌し、自分の脇の下にはさみ検温するものとする。

1.髪

これはまあよほどぎっとぎとでなければ大丈夫であろう。むしろ髪の毛フェチのぼくとしてはうれしいくらいである。いや、そういう話ではない。とにかくは、普通に洗髪され綺麗にしてあれば問題ない。

2.顔

顔と言ってもいろいろある。おでこならいいが、鼻の近くはちょっと無理。耳の穴も無理だし、鼻の穴はもっと無理。いやいやお口で舐めないで、ということもおおいに考えられる。そう考えると、なるほど顔はいろいろ穢れている。となると、陰部よりはよほど低いが、グラフでは小高い山ができそうだ。

3.胸

ここは特に何も感じない。普通に風呂に入っておればそれでよい。って、おまえの主観かよという気もするが、そもそもこのブログ自体ぼくの主観、独断と偏見で純粋に構成されているので、まず問題ない。

4.腹

世の中には気持ちの悪い腹というのがある。そこに頬を擦り付けろと言われれば死を選んでしまいそうな、醜い腹がある。確かにある。しかしここではニュートラルな人間を想定しているので、おそらくは中肉中背、ぼちぼちの清潔感、ということであれば問題なし。

5.陰部

いろんな意味でチョモランマである。とうとうここにきてしまったという感じである。穴があったり棒があったり、人間のすべてがここにあると言っても過言ではない。アダムとイヴを引き合いに出すまでもなく、ここを隠したことこそが人間の原初である。もう少し踏み込むと、尿道、陰茎、膣、肛門。このあたりは抵抗感どころではなく、がくうッと膝からくずおれてしまいそうな致命傷がある。しかし、かように穢れに満ち満ちているにも関わらず、このあたりからぽこんと人間は生まれ出ずる。誠に人間とは不思議な存在である。It's Fantastic!!(お茶を濁す)。

6.大腿部

あまりいい気はしない。

7.足

指の間は嫌だ。

陰部のあとに急激に飽きてしまったが、特にアブノーマルな話が書きたかったわけではない。とはいえ結構なよくわからない話になってしまったが、ぼくは、性行為は基本騎乗位だということ以外はいたってノーマルな中年男性であるのであしからず。なんのカミングアウトかわからないが、まあ、そんな金曜日である。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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