生活の失い方と求め方

  2017/08/22

正直、ブログを書く元気がない。全然ない。

原因は、解決してから思う存分書こうと思っていたが、解決する目途が一向に立たないので、ここにぶちまけてカタルシスの一助としたい。

理由はこうである。

→広島の時お世話になった会社が私が退職する直前あたりから経営不振に陥った

→給与の遅配が発生

→私には丸々二か月分の未払い給与が残っていた

→一度目は半月ほどの遅配のすえ受領

→残り一月分は現在一か月以上の遅れ

→業を煮やした私は労働基準監督署に相談

→すでに他の社員から数件の通告が来ていた(他の社員も全員もらえていない)。

→私の給与未払い分も申告という形で申請

→労基署が社長を呼び出し事情聴取

→会社を潰す気はないが(倒産してくれれば、国の制度で、給与額の8割がもらえる可能性大)、経営の先行きはもちろん、支払目途立たずとのこと

→そこへきて、新宅君は9月末での退職ではなかったかと社長が言っている、とのこと。

→郵送で受領していた雇用保険証などの退職日はちゃんと10月31日になっているため、証明書として送付

→提出するも、社長はあくまでも、彼は9月末での退職だったと言い張っているとのこと。

→口約束の多い会社で、出勤簿などをつけていなかったため、証明できる書類がない。少なくとも10月中にフルタイムで勤務していた証明になるようなものを片っ端から集めなければならない。

→それらしい書類が乏しく、難渋きわまる。何らかの証明手段について考えすぎて頭が破裂寸前←イマココ

ただでさえ、給与を支払ってもらえない時点で精神的にも経済的に相当に疲弊していたところに、あきらかに悪意のある社長の主張。

何か、大げさではなく、無罪にも関わらずアリバイを証明できない完全犯罪を仕組まれたような気持ちである。

この三日間、労基署の方のアドバイスに従って、2013年10月31日に乗車した夜行バスのチケット、11月から入居の賃貸契約書類、元同僚に内密に頼んで10月中に仕事上でやりとりしたメールやLINE、書類(これが一番重要だが、ほとんど残っていない)、エトセトラ、エトセトラをひたすらに探している。

確かに私はそこで10月末まで働いていた。ただそれだけのことなのに、ここまでその証明が困難だとは思いもしなかった。ほとんど絶望的である。しかも証明できたところで、もらえるかどうかも完全に不透明なのだ。本当、おおげさではなく、かすかに死が頭をよぎる。脳の奥が妙な熱を持って、にぶく痛む。

その社長には、もちろん就職先の少ない広島で雇ってもらった恩は大いにある。社長の立場にしてみれば、困難極わりない状況で、支払い額を少しでも減らしたいというのはよく分かる。しかし、これは、それを帳消し、いや、完全なマイナスに貶めるだけの暴挙である。

道徳的にはクズの部類にカテゴライズされるだろう自分が言えた口ではないが、心底、見損なった。残念だとしかいいようがない。

まったく、貧すれば鈍するとはよく言ったものだ。しかし確実に、私の精神も、同様に貧して鈍し、心神耗弱状態もいいとこである。

お金のことで頭がいっぱいになるのは、なんと悲しく、むなしいことなのだろうかと、つくづく思う。

いつでも、哲学だとか、藝術だとか、そういう無意味なことで頭をいっぱいにしていたい。にもかかわらず。さもしいとしか言いようのない自分がいる。ただただ、さもしく生きている。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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