おフランス料理を召し上がれ

最終更新: 2015/07/03

昨日の西洋の調理実習はおフランス料理。ひさしぶりにまともな画像を載せた気がする。舌平目のピエール風、とかいうメニュー。

ピエール風ってなんじゃらほいと思ったら、それは外来講師の先生その人の名であった。フランス人のピエールさん。ああ、ピエールかあ、ピエールねえ、そうかあ、ピエールだったのか。

それにしても外人というのは自己主張が強いのだろうか。だってそんなネーミング、日本人がやるとどう考えてもおかしい。舌平目の太郎風、舌平目の花子風。苗字ならば舌平目の佐藤風、舌平目の田中風。料理云々よりも笛や太鼓、ピーヒャラピーヒャラ雅楽が聞こえてきそうである。そもそもヌカミソくさいような気がしなくもない。

というかぼくは、あるいはフランス料理というものを初めて食べたのではなかろうか、と思った。同じ班にはフランス料理の最近の傾向について語る人などもいたが、ぼくとしては何がなんだか目がテンである。フランス料理はそんなにメジャーな食べものなのか。生まれてこの方「今日はフレンチにしよっか?」なんて日はなかったのだが、それはなぜか。もしや広島にはフレンチがなかったのか。いいや福岡にもなかった。豚足と黒霧島はあったがフレンチなんてものはなかった。無かった! それにしても一体全体、ぼくは何を食べて育ったのだろうか。いや、ぼくは十分育ったからフレンチを食おうが食うまいが立派に育つことだけは確かだ、がしかし。が、しかし。

まあそんなことはどうでもいいが、今日の毎日新聞のコラムでこんな文があった。鴨長明の「方丈記」にある一節だそうである。

「世に従へば、身、苦し。従はねば、狂せるに似たり」

コラムの筆者いわく、現代風に解釈すれば、「コマーシャルに踊らされて新製品を買う生活は、もはや心苦しい。しかし時流に逆らえば奇異の目で見られてしまう。」

なるほどなあと思った。ぼくが狂っている(と思われるor思われたい)のは、そういう面も少なからずあるだろう。まあ、どのみち流行なんざクソくらえ。ついでにフレンチなんざクソくらえ。男は黙ってラーメンバリカタ味濃ゆめ。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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