相対的な今昔

最終更新: 2017/08/22

気づけば12月も一週間が過ぎようとしている。いわゆる年の暮れが着々と近づいている。

しかしその実感はない。風もそれほど冷たくはないし、周囲の雰囲気もなんら普段と変わらない。

かつて年末といえば、クリスマスにお正月に、死ぬほど楽しみで心躍る時分であった。しかし今では、なんの高揚も覚えず、「クリスマス」や「お正月」という単語は「勤労感謝の日」や「月末」となんら変わるところがない。

楽しく生きようと思う。思いはするが、実際に楽しく生きれるかどうかはまた別の話である。

閑話休題。

最近、いつも愛読していた毎日新聞のコラムが有料になって見れなくなった。金を払えばいいだけの話ではあるのだが、金を払ってまで見るものかという気もするので、見るのをやめた。

というか、それらのコラムを読むのは会社のデスクでお弁当を食べるときだけなので、なんとなく目を泳がせるなにがしかであればなんでもいいのである。

というわけで適当に見つけたのは西日本新聞のwebサイト。今後はこちらを毎日のお昼のお供にしたい。ということで、ちょっと興味深い話があったのでご紹介。

【1849年、億万長者を夢見る人たちが米カリフォルニアに殺到した…】

1849年、億万長者を夢見る人たちが米カリフォルニアに殺到した。世に言うゴールドラッシュ。漁に出て遭難し、捕鯨船に救助されて米本土に渡ったジョン万次郎も当時、この地の金鉱山で働き帰国費用を稼いだと伝わる

▼米国で最も人気のスポーツ、アメリカンフットボールに「49ers(フォーティナイナーズ)」というプロのチームがある。「49年組の者たち」の名は、彼らの開拓者精神に敬意を表したそうだ

▼もう一つ、80年の伝統を持つ名門チーム「レッドスキンズ」。この名前も同じように歴史に由来する。勇猛なインディアンへの畏敬の念を込めた、と。しかし、当の子孫たちから批判が噴出し続けている

▼直訳すると「赤肌の人たち」。米国の辞書にも「先住民に対して、とても侮辱的な言葉」とあるそうだ。伝統か差別か、長年の論争が今年は特に過熱している

▼「多くの人を不快にするのなら、私ならチーム名の変更を考える」と発言したのはオバマ大統領。ワシントン市議会も、改名を求める決議を可決した。一方で、先住民の中にもこの名前を支持する人もいる。論争は平行線のままという

▼ふと気付けば、「はだ色」という呼び名の色鉛筆やクレヨンは消えつつあるそうだ。今は「薄いだいだい色」などと呼ぶらしい。いろんな肌の色がある。さまざまな色で肌を塗る。尊厳を込めれば輝きを増し、偏見が混ざれば醜くくすむ。

(=2013/11/25付 西日本新聞朝刊= http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syunzyu/article/54362)

はだ色。という言葉の意味。

考えたこともなかったが、よくよく考えれば、あれは確かに日本人の肌色であって、白人や黒人のそれでは決してない。

この感覚でゆくならば、黒人メインの国ではローアンバーとかに肌色と付けられるところだろうが、それはまずないだろう。

そもそも、日本の色感や、色名というのは西洋のものほどシステマティックではない。「紅梅色」「若草色」「菖蒲色」なんて色名の一例を出すまでもなく、たんに日本人の感覚がそのように呼ばせただけだろう。

信号の緑や野菜を「あおい」といい、柿が熟れれば「あかい」というように、日本人の色感というか色の表現は非常にあいまいなのである。

つまり、そこには差別偏見云々のかけらなどそもそもないのだ。って、別にそんな道徳的なことを主張したいわけではない。

それはともかく、最近のぼくの問題は主張がないことだと思う。だいたいのことはなんでもいいし、どうでもいい。

連日、秘密法案についての報道やデモがかまびすしいが、そういうエネルギーがいったいどこにあるのか、正直不思議でしょうがない。

それが問題なのはわかるが、そうやってわざわざ立ち上がって練り歩いて声を張り上げるエネルギー。

なんというか、ぼくには一生無縁の、どうしようもなく遠いものを感じる。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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