舌鮃のムニエルとポタージュスープ

  2017/08/22

これは昨日ではなく一昨日の調理実習での画像。なのですが、いつもと画像サイズが違うでしょう? というのも携帯の充電が切れていたので、その日、一緒の班だった人にデジカメを借りたのであーる。で、昨日そのデジカメとわたくしの携帯が赤外線通信をいたしまして、こうしてインターネット上に流出した、というわけなのです。

というか、デジカメに赤外線通信がついてる機種があるって知ってました?ぼくは初めて知りました。けっこう最近買ったぼくのデジカメにはそんなものはついていません(いや、もしかすると単にぼくが気づいてないだけかもしれない)。まったく、知らないうちに世の中は進歩していやがるものだ。

ほんとうぼくは世の中の流れに無知である。いや、"移ろいやす過ぎるもの"に興味がなくて無関心なのだ。ついこの間まで最新ですごいだ欲しいだともてはやされていたものが、今ではワゴンセールに入ってゴミのような値段で売られている、そういうようなものの動向にぼくは情熱を注ぐことができない。

だからきっと、基本的には可能な限り永続性を志向する芸術、アートにこそ情熱を注げるのだと思う(いや、自然に崩壊するがままにしておくアースワークとかもあるけど、そういうのは置いといて)。そういうわけだからぼくの無知無関心はどこまでも続く。そう昨日だってデジカメ撮影の入門書みたいなのを読んでいたら、「EYE-FI(無線LAN内蔵SD型メモリカード)」とかいうのがあるそうで、なんとSDカードにGPS機能がついているものがあるそうなのである。これまた初めて知った。へぇ〜〜、そ〜なんや〜、ふ〜ん。で? いらん。

とまあ、相も変わらず偏屈なわたしの今日の画像は舌鮃(ひらめ)のムニエルとポタージュスープでございます。って書いてふと思ったけど、料理こそ移ろいやすいことこの上ないじゃないか。食べたら終わり、なんだけどいやしかし違う。料理そのものは完全に一回限りだが、レシピは永遠なのである。だからして、レシピに関しては家電製品とかにくらべれば百倍は情熱を注げる。

がしかし、って今日はやたらと"がしかし"を連発するけど、がしかし、ぼくはその昔、高校2、3生〜大学生初めのころまでは家電が大好きで、ビデオデッキひとつ買うのもパンフレットなどをいくつも見て比較検討していたものなのである。

がしかし!いつからかぱったりとその熱は消え失せ、今では比較検討なんてめんどうくさ くてまったくしない、だって学校すらも比較検討していないんだもの、というような体たらくである。なんていうか、比較検討がとにかくめんどうくさい。なんで今にも消えそうなスペックだとか、機能のひとつひとつを調べ上げ、これはあれよりあれはこれよりなんていうことを自分でやらねばならんのだ。そんなものはそれを仕事としている店員さんに「一番たくさん連写ができるデジカメはどれですか?」と聞いて「これです」「そうですか。ではこれをください」でいいではないか。というのは先日実際にぼくがヨドバシカメラにてデジカメを買った時のやりとり。ああだこうだと家電なんぞに悩む暇があったら、小林一茶の俳句のひとつでも覚えたほうがいいのではないだろうかと思ってしまうぼくであった。

って、今日はなんかいつもにもまして自分が毒づいているのをひしひしと感じる。

気を取り直して、せっかくなのでぼくの好きな一茶の句を少しばかり。

やれ打つな蝿が手をすり足をする

名月の御覧の通り屑家(くずや)かな

あとなんか、雪に小便で文字を書いたところを読んだ句があったはずなんだけど、どうも思い出せない。

それはともかくヒラメのムニエルはとてもよかった。ムニエルって、こうやるととっても素敵なんですねと思った。レモン汁をかけて、ごく薄いレモンのスライスをのせて、焦がしバターをかける。ムニエルがこんなにも素敵な料理だとは知らなかった。そしてじゃがいものポタージュもよかった。両方とも、見た目はもちろん、"ほどよく手間がかかる感じ"のレシピもベリーグッド。とても良い。最後に身内ネタを。「あのー、じゃがいもじゃなくて、かぼちゃのスープはおいしいんですか?」「ぽちろん!」。「あのー、先生、今日は結局なにがいいたかったんですか?」「結論!」。「イタッ!先生、指切っちゃいました」「マキロン!」。

では失礼いたします。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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