わたしという存在が母から千切れた日

  2016/04/08

小難しく書いたが、単純に誕生日です。2014年の3月29日で32歳になりました。

この世に生まれ落ちて32年です。思い返せばいろいろありました。とかなんとか書き出す気分でもないし、書き出したところでたいした意味もないのでやめておく。

最近はまあ、まあ、がんばって絵を描いている。それから、無駄に酒ばっかり飲んでいる、が、さすがにこのところ飲みすぎに違いないだろう体調の悪さに怯えているので、いい加減にしておかないとリアルに寿命が30歳代で終了しかねない感じである、という、体感を実感。ので、お酒は楽しくほどほどに、控えようかなとか思っているが、まあ、そう簡単に治らないのが悪癖というものである。

しかし、人生が楽しくないから酒を飲むのであって、素面でほどほどに楽しければ苦労はないのである。冷静に考えれば、酒を飲む以外の趣味がひとつもないのが一番の問題なのだと思う。とはいえ、酒以外に時間を忘れて、あるいは我を忘れて、そして金銭を惜しまずに楽しめる事柄を、わたしは知らない、し、持たない。

いやはや、よくよく考えれば実に貧しくさもしい人間である。

閑話休題。というほどでもないが、少し話題がずれる。

死んでもいいんだとかなんとか、日ごろひょうひょうとうそぶいているぼくではあるが、いざ、死ぬことを細部まで詰めて想像してみると、ああ、怖いと、わかりやすく身震いする。

とか言いつつも、表面だけをなぜるようにごく浅く考えるぶんには、やっぱり「死」という言葉はあくまでも甘美に響くのであって、だからこそぼくは、相も変わらず、死ぬ死ぬ死ぬ、死ね死ね死ねと、息を吐くように言っているのである。

いやあ、だって、死ぬんですよ、人間なんてものはね。結局、死ぬんです。何をどうがんばったって、死んじゃうんです。むなしいなあ。むなしいとは思いませんか。これを虚しさと言わずしてなんだというのでしょう。死ぬ。死ぬ。死にます。は、は、は、は、はぁ。

なんだか最近、歳のせいかどうか、以前よりもしみじみとした、深々とした、こう、何がどうなったら解消できるとかいう類ではない、漠然としたさびしさを感じるようになった。夜、眠る前など、しんとして、ぎゅうと、さびしさを感じる。人生の儚さなんていう表現をすれば座りはいいが、しかし、そういう月並みな表現でおざなりにしたくはない、さびしさ。

それから、身辺が静かになってきたなあと思う。みな収まるべきところに収まって、まあ、言ってみれば取り残されたような、ぼくは何をやっているんだろうというような。

力もうが脱力しようがどうにもならないことはわかりきっていて、ただただ、ぼくはぼくの人生を生きるしかない。自分の人生。自分のための人生。自分のことだけを考える人生。とかいうことを考えると、またにわかにさびしさが膨らんで、ああ、さびしい、さびしい、さびしい、と思っているうちに朝が来る。そしてまた、一日一日と、着々と歳をとってゆく。そんな32年目のぼくの人生、他の誰でもない、ぼくの人生である。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

ご支援のお願い

もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。

Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com

Amazonほしい物リストで支援する

PayPalで支援する(手数料の関係で300円~)

     

ブログ一覧

  • ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」

    2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。

  • 英語日記ブログ「Really Diary」

    2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。

  • 音声ブログ「まだ、死んでない。」

    2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。

  • 読書記録

    2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。

  関連記事

ああ、そのドアをピンクに塗るセンスよ

2012/02/03   エッセイ, 日常

帰ったらピンクになっていた。正確にはピンクに戻っていた。ドア。ぼくの家のドア。ど ...

死んだらぜんぶ終わりじゃんの世界

日曜日の朝。起きがけにおよそふさわしくない自殺関連のツイートを目にする。しかし興 ...

人生はだんだんおもしろくなくなる

昨日、二年ぶりくらいに「男はつらいよ」を見た。YouTubeで。 二年前くらい、 ...

雑多な、無作為な、必然の、

2008/05/02   エッセイ

こんなに人が居るんだ、ったなあ、と久々に実感した。at新宿。 完全に恣意的にばら ...

オニオンソースのハンバーグ、の料理レシピ

今日のメニューはなんだかスタンダードすぎて検索に引っかかるのかどうか心配です。” ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2024 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.