過去といまと未来は陸続く。
2017/08/22
もしかすると常識なのかもしれないのだが、いまさらながらポップアートの定義を知った。
ポップアートの始まりは、リチャードハミルトンの「一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか」というコラージュ作品からと言われているが、その定義は知らなかった。で、下記はその作品を発表した「これが明日だ」展でリチャード・ハミルトンが批評家?に送った手紙に記されていた、ポップアートの定義である。
「ウケがよく(大衆向きで)、一時的で(その場限りで)、使い捨ての(簡単に忘れられる)、低予算で、大量生産された、若者向けで、気が利いていて、セクシーで、いかさまありの、グラマラスな、金儲け」
なんか、ひどく納得。ポップアートって、そういうことだよなあと。
ウォーホルしかり、リキテンスタインしかり、新宿調理師専門学校横にある「LOVE」の彫刻のロバート・インディアナしかり。って、これは言いたかっただけ。ええ、あれはロバート・インディアナの作品ですからね。どやー、という。
で、またしてもケーキ、というか誕生日。こう見ると、ああおれって意外と愛されているんだなあと、ちょっと悦。いやこれから孤立するけど、いま現時点においてはけっこう愛されているのだと、思う。思っていいでしょうか? いいとも〜、ということでまあ勘違いだとしても勘違いできるだけ幸せ者だろう、きっと。
今日は料理して(コロッケ、手羽先のマーマレード煮込み、シュウマイ、肉じゃが、アボカドのマグロ和えなど)、それから絵を描いて、そうして夜になったら友達をお出迎え。で、なにやら10人くらい来るらしいです。そんな大勢、もはや立派な社交パーティーとでも言うべきものではないか。小学校の時だって、中学校の時だって、高校の時だって、そんなにたくさん人が集まったことはない気がする。
というか、中学校の時、っていうので妹の話を思い出した。
ぼくと妹は歳が離れていて、8歳?だっけか、そのくらい離れている。で、ぼくが中学二年くらいのとき、妹は小学校一年くらいで、そんな状況のある日のことであった。
妹曰く、その日、妹は学校で遠足だったそうである。そして、その途中、近所のとある公園(宮下公園という名前)をみんなで歩いて通り過ぎようとしたところ、ふと見たことがある人に気づいた。
ブランコにひとり座ってぼうっとしている人。
それは兄であった、つまりぼくであった。
あれ? 兄は朝、行ってきますといって学校に出かけたはずなのに、公園のブランコに一人座っている。もちろん学校はとうに始まっている時刻である。
あれ?なに?おかしい、おかしくない?と幼心に思ったらしいが、しかしそれが何かまずいことだとはわかったらしく、母には言わなかったようで、その話を聞いたのはぼくが大学になってからくらいのことだった。
考えてもみてほしい。中学二年生といえば一般的に、人によってはタバコを吸っていきがったり、原付を盗んで乗ってみたり、誰か家庭環境がややよろしくない荒れた感じの友達の家をたまり場にしてくだを巻いたりするようなお年頃であろう。
だがぼくはひとり公園でブランコに乗り登校拒否である。ぼく自身ははっきりとは覚えていないのだが、ぼくの性格上、きっとパンなど買い食いもせずに単純に空腹を我慢しつつ、ひとり律儀に学校が終わる夕方あたりまでブランコに座っていたのだろうと思う。もう、太宰治も真っ青の根暗である。
これは先日の政治家の資質云々の話を引き合いに出すまでもなく、おお、まさにぼくの将来を暗示しているではないか。
そう、そんなもんだから、幸福は短く、不幸は長い。と思っている自分であり、そして今日もまた、乾杯からふっと気づけば朝だろうと、すでに総括してしまっている自分であった。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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