休日の茫洋

最終更新: 2017/08/22

平日はシャキシャキとタイトな時間配分で活動しているのだが、休日になると途端に弛緩してしまう。

漠然と時間があると思うと、逆にやる気が起きない。人間たるもの、ある程度の制限というか負荷は大事なのだと思う。昨日など、ほんとうに何もしなかった。前日に深夜2時くらいまで樋口と飲み歩いてはいたが、二日酔いというわけでもなかった。

朝8時くらいに起きてうどんを食べ、大便をして本を読んでだらりとまどろんで、正午過ぎに再び起き出してペペロンチーノを作って食べ、なんか人生がかったるいなあとかなんとか思っていたら、また寝ていた。起きたら17時過ぎで、ああ、晩ごはんを食べなくちゃということで、ダイエーに行って適当な買い物をして晩酌をしながら本を読んで、風呂に入ってまた寝た。

我ながら、なんてゴミのような一日だったんだろうかと思う。しかし、自分には徹底的に甘いぼくなので、ちょっと風邪気味だったからしょうがないか(※詐病ではない)、ということで難なく納得してしまうのであった。

もしもかような生活を延々と続ければ、早晩ボケることは必至であろうと思う。というわけで、ボケ関連という強引なくくりで下記「日本経済新聞」のコラムに接続。

年をとってから認知症になる人をあまり見かけない職業が2種類ある。毎月1000人近い認知症患者を診察するという専門医の長谷川嘉哉さんが、自身の経験などから、そんな見方を披露している。作家や音楽家、画家などの芸術家と、やり手の創業経営者だという。

▼感情を遠慮なく表現し、逆境も楽しむ。そうした人は比較的、認知症と縁遠い。頭を使うと認知症の防止になるというが、毎日同じような仕事で頭を使っても効果は乏しいそうだ。とはいえ自由奔放に生きられる人は多くない。むろん芸術家などもリスクゼロではない。誰もが無関係ではいられない話と覚悟すべきだろう。

▼2007年、徘徊(はいかい)中の認知症男性(当時91)が電車にはねられ死亡した。同居する妻が数分間うたた寝をした間に1人で家を出たのだ。鉄道会社は損害賠償を求め、先日の控訴審判決は妻(同85)に約360万円の支払いを命じた。老いや病で自立困難なとき、夫婦は介護や監督の義務がある。それを怠ったという理由だ。

▼認知症患者は約300万人。25年には470万人になると政府はみる。判断力は陰っても感情やプライドは大人。集団生活よりも、慣れた自宅で暮らすのが望ましいとされる。介護する人もされる人も認知症という「認認介護」や、家族が介護のために離職・離散する例が増えていく。担い手への手助けや心配りは十分か。

【春秋/2014/4/28付】

芸術家はボケにくい!いや、ボケない! と、無駄に喜んでしまうボケ芸術家のぼくです。まあ、なんでもいいけど、芸術家に永久就職希望です。

付記:4月も今日で終わりです。そして5月。5月は樋口くんの結婚式です。めでたいというような気持ちは1gもなく、あるのはただ遠い目ばかりです。しかし、友人代表でスピーチを頼まれているので、たとえ上辺でも祝辞を述べねばならないのである。願わくば、お祝いの言葉に変えて、ぼくのこの複雑な心境をジョン・ケージの「4分33秒」で表現して差し上げたい、そんな今日この頃である。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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