ぼくは英語ができない
2015/07/03
さて、外国に行くことになったぼくであるが(既成事実にするため公言しまくる活動を展開中)、昨日、体験授業の予約をした語学学校から電話がかかってきた。
日時の確認云々ほか、以下の通りであった。
「ちなみに、レベルはどのくらいですか?」
「いやもう、まったくの素人です」
「初心者ですね」
素人ってなんだよって自分でも笑ってしまった。まあ、それくらいに初心者ということである。
それはともかく、行くんだと思いついて、思って、公言して、そして想像すると、図らずも、ぼくらしくもなく胸の高揚を感じる。
すると風景が変わってきた。この広島での暮らしも、実家での生活も、あくまでも"今だけ"であり、その先に変化があるのだと思うと、自然、今をもっと大事にして、満喫して楽しんでおこうという気にもなってくる。
もちろん、生きていること自体が”今だけ”であるのだが、人間の愚かさか賢さのせいで、その事実をたいていは忘れていて、意識しない。明日も明後日もそのまた次の日も、今日におそろしく似た日が途切れずやって来るものだと、無意識的に思い込んでいる。
馬鹿野郎!絶対に死ぬんだよ!
それはともかく、どうやって外国に住むのか、住んで何をするのか、何で飯を食うのか、いかにして生活するのか、願わくばアート系の学校に留学したいが入学方法とか費用とか、なにひとつさっぱり知らないしわからないが、まあ、とにかくは自分がそうしようと思ったならば、自然と道は開けるだろう。
この世で唯一自分の思い通りに、自由自在になるのは自分自身だけである。自分だけならばいくらでも動かせるしコントロールできるのだ。しかしもしも、他人を動かそうとしたりコントロールしたりしようとすれば不幸になるだけである。
しょせん、人は人であって自分とは億千万光年隔てても足りない遠い遠い遠い別次元の存在である。
この数年で骨身にしみて学んだもっとも大きな真理である。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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